しあわせになる方法

蛋白質 / 涙の理由

「蛋白質とらなきゃ。」

17.06.03(月)【GSA】MMAグループトレーニング部(格闘技1.0h):上田さん
加圧後にぐったりした顔でそうつぶやいていたT氏。上田効果だなぁ、とニヤニヤしていた。
上田さん曰く

「筋トレして筋肉つかないなんて許せないと思えるようになったのでしょう。まだ蛋白質は伝えてないのですが、今日、伝えますよ。」

とのことで、本日の座学でその話がオープンになった。
まだ簡易版とのことだが、私もいい復習。このお題で食事を組み立てるのはパズルみたいで面白いものだ。すっかり食事をびっちりメモに取るようになったT氏。この先はどう予定と記録を取っていくのか、その工夫を見るのも楽しみだ。

食事に取り組みだして1か月。T氏の見た目は早くもずいぶん変わった。ここまでそうツラい実感もなさそうだ。
この1週間で目覚めたのは、果物のおいしさ。
それは画期的!

上田さんからの解説は栄養素とカロリーのバランスから見たときの果物の優秀さについて。
それでも普通のスィーツが食べたくなったときの考え方と、ちょっとした、でもすごくお手軽で効果的な対処方法。
あと、想像力と妄想力って大切なのだな……人間の脳みその上手い騙し方。
ボリュームあってお得な内容! メモを取る手もカタカタ動く。

そろそろ実技しますか?な雰囲気のところで話がふと『最近、泣きました?』な流れに。
T氏は年単位で泣いてないと言う。
それは由々しき事態、と話が広がる。

「涙が出る理由は何だと思いますか? 身体から何かを排出しているんです。」

「何か……?」

「これは考える訓練にもなります。考えてみてください。
涙を流すときはどんなときですか? 」

「えーと……悲しいとき。」

「悲しいとき。それから?」

「感動したとき?」

「感動したとき。感動ってどんな感動ですかね?」

「感動……?」

「例えば映画とか。犬を出すのは卑怯ですよね! あれは泣きますよね!!」

「え?」

「え? 泣かないんですか? 犬が出ても?
人としてゴミですね!」

またそういうことを朗らかかつ爽やかに笑って……
そんな上田さんは映画の予告編だけで泣くらしい。『本編観てないのに!!』と。忙しい方だな。

「『フランダースの犬』然り、泣く感動はだいたいは悲しい感動です。
悲しいのほかに、痛いときも泣きますね。」

「ああ、確かに。」

「つまり、身体はどんな状況だと判断してるんでしょうね?
“悲しい”も”痛い”も、身体にとっては同じものにあたります。なんでしょうね?」

「え……-と……ストレス……?」

「そうです。涙はストレス物質を外に出す働きをするんです。
この物質が体内で上がらないと戦闘態勢にならないので大事ですが、闘う必要もないのに上がるとダメージなので涙から排出します。」

なるほど、これも自律神経に影響あるのか……

「つまり、”泣く”って行為をしない状態。
この理由は、2パターン考えられます。

ひとつは、ストレスを受けていない状態。
もうひとつは、ストレスをため込んでいる状態。

ため込んでいる場合は排出が上手ではないと言えます。
つまり身体がすごくストレスを受けている可能性がある。泣こうと思ったほうが人生は楽なんです。

Tさんはなんで泣かないんでしょうね?」

T氏が自身のこれまでを振り返る。
最近泣いたのは、約1年前。その前は思い出せない。
学生の頃のほうが泣いていた。社会人になってから泣かなくなった。
泣かなくなったのは……仕事で病んでから。

「病むほど仕事しちゃダメですよー。」

と笑う上田さんの言葉は私の耳にも痛い。鬱病はシステム屋がよくなる病気だ。システム屋は鬱病になりやすい性格傾向の人が就きやすく、そしてなるのに充分な温床が整っている。

「どうしてそこまで仕事をしちゃったんでしょうね?」

「今思えば、そこから抜けるって選択肢が見えなかったですね。やらなきゃ、って。」

そう、倒れたら抜けられるって発想になる。でもそれすら許せなくなる。

「そして病んで、泣かなくなった。
“泣く”ってことは、”想像力がある”ってことです。
“泣かない”ってことは、悲しい出来事を見聞きしたときに、完全に自分のこととして想像して置き換えることをしていないんです。

おそらくTさんは想像力にフタをして麻痺させることでやり過ごすことにしたのでしょう。
映画で犬が出てきても、”どうせ映画だし””他人ごとだし”など多角的に見ているのでしょう。
逆に言えば、”想像力が欠如している”ともいえます。

泣ける人というのは、自分になんの関係もない人の話を見て

『あ、これは自分で言う、あれか。』

と、すぐに理解できたりします。」

あー………なるほど。

「いいとか悪いとかではなく、すぐ泣くのは、マネジメントできているということです。
“何”で泣くかを把握しているってことは、自分のストレスを把握してるってこと。
年を取るほど、オトナになるにつれてよく泣くようになるのは、自分をマネジメントしているからです。」

あー………………なるほど。
自分の泣きツボはいくつかすっとあげられる。そしてそれは確かに、ストレスなヤツだ。ちなみに一番ガチ泣きしてまともに観れない映画は『A.I.』だ。最初から最後まで号泣し通し、顔面が悲惨なことになる。あれはキツい。
そういや格闘技を始めてから泣くこと増えすぎて、もう人前で泣くのを恥ずかしく思うのを諦めたな。格闘家の方は涙もろい方が多い印象。

そして上田さんが直近で泣いた話。
一昨日、アニメ『ピンポン』の第2話を見て。
どこで泣きそうになったかって話を聞いてたら、ああなるほど……と理解できて少しうるっと来そうになった。まぁこれは上田さんの説明が上手いからだな。

しかしそう考えると……疑問に思ったことを聞いてみる。

嬉し泣きってなんですかね?

「嬉し泣きは、悲しくて泣くよりもさらに高度です。
嬉しくて泣くには、悲しいこととか嫌なことを知っていないと出来ません。

“嬉しい”と”悲しい”の目盛りの変化が、感動。
“目盛りが大きく振れること”が、感動なんです。

“嬉しい”と”悲しい”。
つまりストレスを”受けない”と”受ける”。

この両極を知り、かつ、大きく動くことが感情の変化です。
そして実は”変化”自体も、ストレスなんです。

“嬉しい”に感情がガッと動いたときに泣くのは、そういうことです。」

嬉し泣き。
過去、嬉しくて一番号泣したのは……あれだな。プロレスの試合であの方が初めてベルト獲ったの見たときだ。あの号泣っぷりは我ながら引いた。
うーむ。”自分に嬉しい出来事”があって嬉し泣きするのはまだしも……自分が獲ったわけでもないのにあそこまで嬉しくて泣くって、私の行き過ぎた想像力……妄想力と、目盛りの振り幅って相当だな……

そうして、加圧のときに聞いた、自律神経を車の速度計に例えた話を思い出す。
いろんな話はつながるもんだ。

「感情のシーソーをちゃんと動かすには、”嬉しい”も”悲しい”も知り、目盛りを作らないといけません。

例えば、”美味しい”って感情。
これは毎日ドッグフードを食べさせられていたのではわかりません。
美味しいものも、不味いものも、両方を知らなければ”美味しい”はわからないんです。
つまり、幅を広げる活動が必要なんです。」

格闘技を始めたら確かに、”嬉しい”も”悲しい”もたくさん知ったかもしれない。だからか。
そして上田さんのあの勝ったときの喜びよう。負けるときの豪快さ。あの落差は……確かにな。

「まず幅を知るためのレベル1、第1歩は食事です。
マネジメントの成功体験を積み、打破していきましょう。

鬱の人は蛋白質入れてテストステロン上げたらセロトニンが出て改善に向かいやすくなりますよ。」

なるほど、そうでしょうね。実感としてわかる気がします。

「鬱もねぇ……人間に自由意志なんてないですからね。」

ん? その話は初めて聞きました。

「身も蓋もないから言ってないです。
ちょうどいいですね。久禮さん、宿題です。調べてみてください。

“人間に自由意思はない”って話を。」

Yes, sir!
久々の宿題ですね。おもしろそーです。

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新たな商品は / 自律神経の復調

「この話の続きは課金制です。」

17.06.03(土)【GSA】パーソナルトレーニング(加圧0.5h):上田さん
なんなんすかそれ。………………いくらですか。

「200円です。この絶妙な価格設定!」

自分で言わないでください!

「僕はお金が大好きなんです! 世の中にあるものすべてお金にしか見えません!」

知ってますが!!

「久禮さんのこと裏でなんて言ってるか知ってますか? 太客です!」

やかましいわ!!! 裏で言えや!!!
だいたいなんで”気持ち悪い”だの”怖い”だの予告されてる話に200円払わないといけないんですか!!

…………

ほんとに気持ち悪いしッ!?

「この続きは100円です。」

なんなんすかそのぼったくり!! 刻みますか、そこで!?!?

「じゃぁ月額1000円でいいです。」

なんで値上がりした上に定額制契約にすり替わってんですか、おかしーでしょッ!!!!

しかも結末後に追加で提示されたオプション500円がどうにもそそられる。提示するほうも頭おかしければ、本気で乗るほうも頭おかしい。
腹筋しながらガチで思案。さて、どうなるかな? 有言実行を期待。

スクワット中に検分される。

「いい感じですね。代謝機能が少しずつ正常に近づいています。自律神経が整ってきましたね。」

ん? どのへんで判断されたんですか?

「汗をかく量が以前ほどではなくなりましたよね?」

あー……かきますが。そう、かな……そう、かも? 自覚薄いが……
あ、でもそうだったな。異常な汗かきが功を奏して聞けた雑談があったな、と思い出した。あのときに比べれば。

そこから交感神経・副交感神経の話。その調節。
車に例えられ、イメージがついた。日々の生活、営みを、制限速度が頻繁に変わる道路に見立て、身体を車に見立てる。
世の中には速度の目盛りが1km/h単位で小刻みな人もいれば、20km/h単位の雑な人もいる。つまり、“緊張すべきとき”と“リラックスすべきとき”の判断が雑、もしくは誤作動。
また、アクセルと車の連結がおかしい人もいる。踏んでも狙った通りの速度が出ない。つまり“マズい、戦闘態勢になろう!”てときに弛緩して能力発揮できなかったり、“今は問題ないからゆったりしよう”てときに緊張して無駄に疲労する。
目盛りが細かい方が、そして連結がスムーズな方が生きていくのは遙かに楽だ。逆は無駄にハードモード。

私の場合は目盛りも連結もどちらもイカれていたのが、少しずつ正常に戻ってきている、と。なんとなく、納得。

なんですかね……トレーニングと栄養と、両方が効いた?

「そうですね、両方です。特に、トレーニングです。
“こんな勢いで汗かいてたら、体温調節おかしくて死ぬ!!”と身体に教えないといけません。
身体は、ストレスをかけないと変わらないんですよ。楽をしているとそのままでいいや、となる。」

あ、わかるな……身体だけじゃないかも。人間そうですよね。
“困らないと、変わらない”。

「なおかつ、1度や2度のトレーニングでは変わらない。
年単位でやらないと変われないんです。
やってきたことが、実を結んでるんですよ。」

なるほど。
……それは、嬉しい、な。
まだまだだけど、少しは人間っぽくなってきたんすかね……

ちょうど今日、”じわじわと、変わるものなんだな……”としみじみ実感していたことがある。
この私が、”夕べ食べ過ぎた、今日は食べたくないな……”と1食も食べないままここに来た。内臓の様子を鑑み、プロテインすら、摂ってない。カタボリック承知で摂らなかった。筋肉より、脳みその変化と内臓優先。何せ、私には画期的すぎる。

これまで意図的に、”食べたいけど食べない”はやったことある。”食べたくないけど食べたい”で食べたことはしょっちゅう。
“食べたくないから食べない”は、初めてなのだ。そして過去の教えを照らし合わせるに、そのほうが代謝機能は回復して、結局は身体のためになる。つまり、それが出来なかったから、私の代謝機能はおかしかったし、自律神経もますます狂った。悪循環のスパイラル。

それも、私には必要なことだったけど。遺伝も大きかったし、そこまでしないと生きられないときがあった。そこまでしても生きていたかった浅ましい自分はとても大好きだ。
そしてそろそろ、楽になっていいとこまで来れたんだ。栄養の座学はがんばってきた自分に与えられた、飛び切りぴかぴかのご褒美な果実。あの状態を味わってきたから、果実の価値が身にしみてわかる。

栄養の座学を受けて食事は即座に変えた。基本の食事はすぐに定着したけど、ときどき無性に焼いた甘い小麦粉を欲する衝動が湧き起こるのだけはどうにも収まらなかった。
空いた穴を焼いた甘い小麦粉で埋めるように紛らわせていたのが、甘くてももう少しヘルシーなモノや、果物、もしくはお肉で代替可能になる場合が少しずつ増えた。
加えて、今日のように前後の食事でバランスを取れるケースも。
そして、前なら手が伸びただろな、と思うときにそもそも伸びなかったり。衝動自体が減った。

たぶん、栄養よくして、神経回路を整えて、少しずつ変わってきたんだろう。私にはズバンと断ち切るように変えられるとこと、ゆっくりじわじわとしか変えられないとこと両方あった。
いろんな変化の仕方があるものだ……ちゃんと、変わるんだな。

説明を聞いて腑に落ちたことがある。
汗だけじゃない。そもそもの感覚や感情もだ。
特にリラックスすべきときにリラックスできないケースは多かった。そのせいで怒りや哀しみや不安が暴発すること、多かったよな。
そう考えるとずいぶん、生きやすくなったもんだ。
で、まだまだこれからだろうな。まだ浮腫はヒドい。衝動はまだ湧き起こる。平均よりまだ高めだろう。
てことは、もっと生きやすくなることだろう。
そうなった私は、何を為せるかな?

衝動と感情に振り回され続け、必死に抑圧してきた。今の速度がよくわからないままアクセルもブレーキもべた踏みするような日々。
それが、速度計が適切に現状を知らせてくれ、アクセルが狙うとおりに身体を動かしてくれ……ブレーキを必要なときだけ踏めば済むようになったら。暴走が減り、ベタ踏みが減り、そのエネルギーが不要になったら。

それをもっと好きなこと、大切なことに使えるようになったら?

それこそが真の、本当のご褒美。
……楽しみだなぁ。

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“人間”の定義って?

DEEP JEWELS観たかったですよねぇ……でも土曜は難しい。今日も通常営業ですね、とご挨拶。

17.05.20(土)【GSA】パーソナルトレーニング(加圧):上田さん
今日はT氏が私より前の時間にトレーニング。上田さんの「がんばってましたよ」のコメントから広がり、私が紹介した方々の個性豊かなトレーニング状況をうかがう。
課題や目標が各自それぞれならば、改善の取り組みもそれぞれ。ひとりひとりの人となりを私自身がそれなりに知ってるうえで、ひとりひとり見学させてもらったので、理解が深まりとても面白い。差異や、上田さんのアプローチの仕方も聞いてるとすごく勉強になる。翻って自分はどうだ?って観点でも。してみるもんだ。見学。

本当に食べることが好きな人は

「自分は食べることが好きで、美味しいもの食べるとしあわせなんです。」

とは言わない、というお話。

え? じゃぁなんて言うんですか?

の問いに対する答えに唸る。うーむ。なるほど。
同様のことは異性の好みにも当てはまる。へぇー……そう、なのかもしんない。私自身が元々雑なんだよな。なのでまだなんとも。

派生して、大好きで大切な人を笑顔にするのにどんな方法があるか?のお話。
安易な方法に頼るのはつまりはパワーがないってことで、いっそ罪、と。ペットを愛でるようにしか大切にできないなら、人の人生を背負う資格はない、と。
わかる。というか耳が痛い。
人を笑顔にする手段をどれだけ持ちうるかは、その人の力量だなぁ……いい歳して広げてないってのは、確かに罪だ。目先の笑顔でなく、その先の笑顔……自分がいなくなっても、その人が笑顔でいられる何かが残せたら。その人の中にタネが残せたら。
それってつまりは、影響力ってやつだと思う。上田さんの言葉で言う、パワー、か。
とはいえ、それが出来る人は少ない。
事なかれ主義、平和主義というと聞こえはいいが、人に影響を与えることを恐れてビビってるとも言えるよな。

人間生きてれば、多かれ少なかれ、影響力はいやでも持っている。むしろ死んでも。
なのに影響力をよりよくする努力を怠り、劣化させて撒き散らすのは罪、か。
持っているなら少しでもよりよい何かにするのは、生まれてきた以上、責任、か。
確かにな。何をもって”よりよい”とするのか。その判断を誤っていることも多々ある。それも含めての罪で責任。

影響を少なくする、与えない、無難、を狙うのは逆に苦しくてツラい。自分を押し殺して抑圧することだから。
だったら思いっきり自分の持ちうる能力や好みや思考や意思を放出して、影響力を思いっきり増したほうが自分も周囲もしあわせ。だよねぇ。

なんてのも踏まえてさらに深く。
私は常々、上田さんに人権認められてないな、と感じていたが、どうやら上田さんは自身にも人権を認めていないらしい、と知る。いや……とても制限された人権、なのかな? その論拠をひととおり伺って、なるほどなぁ……と思う。おそらく幼いころからそんなふうに世界を観ていたのかな?
見えすぎるってのも、大変だなぁ……と、ちょっぴり可笑しい。いや、笑い事じゃないくらい厳しい話なのだが。生きづらかったでしょうね。そう考えると、よくそこまで真っすぐに育ってオトナになったものだなと思う。なるほど……ちゃんとした人間になりたい、か。道理で。
で、あと4~5年くらいで人権を獲得する予定ですか。
なんとなくですが……私も人権獲得の目が出てきたような気がしなくもない。ちょっといろいろ面白くなってきたところです。逆の目が出る可能性も高いんですが。
平穏無事はつまらんすね。いや、穏やかな生活を望んだりはしてるんだけど。まだ早い、のかな。むしろこれから、か。

トレーニングはまずまず。ベンチプレスはいつもきついが、スクワットはそうでもない。腹筋はその日の雑談具合による。今日はバタフライがきつめだったかな。
もっともっとマッチョになりたい。

17.05.20(土)【GSA】MMAグループトレーニング部(格闘技1.0h):上田さん
座学は栄養の話のその後。他に聞いてみたい話もあったが、面白かったのでどうでもよくなってしまった。こっちのが面白い。当面、これでいいかもなぁ。
T氏の表情、話を聞くときの姿勢が変わった。T氏の中で何かが積み重なってきたのだろう。私の目には新鮮だが、上田さんにとっては完全に予測と計算の通りなのだな。これまでの予測と課題設定の仕方をつまびらかにされつつ、そう思う。どれだけのケースを、見てきたのかな……

「まずはマインドを変えます。」

新たな課題が告げられ、根拠と方法も全部オープンにされ、なるほどな、と思う。

「栄養を切り口に、学んでいるのはセルフコントロールの方法です。ここで学べばほかにも応用が利きます。」

積むのは成功体験、か。
T氏の表情が変わったのは、自信と、”この人のいうことは本当かもしれない”て信頼が積みあがったから。実際、T氏はクラスでへばるタイミングが遅くなったし、体型が早くも変わった。初めて”ほうれん草が美味いと思った”という。拍手喝采だ。大きいよね。
うん、そう……その”ほうれん草が美味い”は間違いなく、しあわせのタネだよ。よかったよねぇ……これからどんどん増えてくんだ。楽しみだな。そういうのをこうして見られるのは。

それから思わず考え込んだのが、”どういう人を信頼し、どういう人を信頼できないか”って話。
“自分のルールを確固として持っていて、それを守れるか否か?”
“ルールがない、守れないってことは、予測不能にブレる可能性が高いってことだから信頼できない。”
ってことになるのかな。
いろんなことがあったんだろうなぁ……と思わず想像をする。一理ある、……一理どころではない、かなぁ。ただこれまた厳しい。私自身も信頼できない、されえない人間、だな。まぁそうだろな。伊達に人権なくないぞ。
そうだな……私にとって”人を信頼する尺度”ってなんだろな……と思うと、発想が違うのを感じた。環境と、個人の能力及び責任範囲の違いなんだろなぁ。私の場合は”この人がうまくいかなかったんならしょうがないと思えるかどうか””どんな結果が出てもそれを受け入れて対応しようと思えるか否か”の感覚で判断している。というと耳障りがいいが、要は好き嫌いで判断してるといえばそれまで。それがどちらも”是”……つまり好きなら、問答無用で信頼する。なんでこうなったかといえば、仕事上、そうせざるを得なかったからだ。何せ、技術力がなくて調整能力だけで生きてて、人に頼らねば何事も進まないから。私の仕事は、その人たちが気持ちよく働けるよう場を整えること、だからな。
ざっくり言えば、狩猟民族と農耕民族の違い的なモノと推測。うーん、オオカミと羊のほうが適切なのかな。
んー……うまくまとまらない、が、面白い……しばらくこねくり回そう。

久々の実技は、”初めての寝技”。
格闘技の試合において選手が目指すことは何か?
各ポジションの説明、有利・不利の説明。パスガードとは、スイープとは。
知っていることだが改めて聞くのは面白い。これも知らずに始めることが多いよなぁ……私もそうだった。知ってからやるほうが、練習内容の意味が分かって面白いよね。ただそれでいて、これらを知らなくても試合を見に来て面白いと思えるんだな、総合格闘技は、と、思うとちょっと顔がにやける。なんか嬉しい。
それと、やっぱり上田さんのやってることは普通じゃないよな、と可笑しい。上田さんの格闘技に興味がわいたのは、その”普通じゃない”とこを雑談の際に教えてもらったからだ。そんな考え方をしてここまで来るほどに追求したこの方って……そんな練習を積み重ねるって?とうっかり強く興味を持って、もうすぐ2年になるのか。
未だに上田さんの試合は見飽きない。もっともっと見たくなる。困ったもんだ。
そういや私があそこで興味を持たなかったら、少なくともT氏はこうしてここにいないわけだ。これもまた、影響力ってヤツだよな。その出逢いが素敵な効果を及ぼすように、余計な事せず見守り観察できるように、私ももっともっと影響力を磨かねばな。
もっとパワーがほしい。

17.05.20(土)【GSA】初心者MMA:上田さん
打撃対人練習。
T氏は加圧の影響もありへばってきたようだ。でもいいパンチ出すのよね。油断ならない。
いつもの方は今日も遊び心豊かで楽しい。サンドバッグ殴るときはすっげー迫力なのにな。手加減してノリノリで、でもいいヤツ来るから意表突かれて笑ってしまう。
体験でいらした方は謙遜されてるがどう見ても経験者感ハンパない。グローブがうにゅうって伸びてくる。でも手加減ばっちりなのがさらに経験者感ハンパない。
異国の上手い方とは速度上げて飛ばした。この方も前より手加減がうまくなったような? 多少速度上げても平気な感じがする。ならば上げたほうがよい練習。
上田さんは中ボス感ハンパない、何やら特徴的なスタイルを数パターン。1発目は打破できて、2発目がなんとなくつかめるのに振るわず。
「いいですね! 読みと対応ができてますね。」
言っていただくが実はうまく脳内で処理できてない……無意識になんかやってて表層意識で説明できない……まだダメーな感じしか、自分ではしない。や、それでも無意識にやろうとしてるのだから、成長なのだと思うんだけど。
最終ラウンドで上田さんともスピード上げて殴り合い。よいの食らっても怯まずに殴る。

なんつか、好きだなーと思う。このクラスのこの練習は。
テクニカルであの手この手を考え抜いて練習してきた上田さんが、「自分のやってきた練習の中で一番よい、好きだと思えるものをちりばめました」なのが、これらの対人練習。
非日常に慣れること、どんな先天的なものに恵まれてなくても格闘技は楽しめるんだってこと……怖い思い、痛い思いをしなくてもうまくなれるんだってこと。
それらがどう実を結ぶかといえば、防御力が上がる。例えば試合に出た時に怪我する可能性が低くなるし、低くするために攻撃力を上げている。
上田さんがどんなふうに格闘技が好きかがよくわかる。それをどれだけ広めたいと思っているのかも。
上田さんの、格闘技に対する想い、会員さんへの想いを感じる。

今日は寝技練習多め。部活を受けて、クローズドガードからのパスガード。方法数パターンをさわりだけ説明して、シチュエーションスパー。うあーーー久々だ、嬉しい。
T氏はうまくなるのが早い。1回目当たったときは2回取れたが、2回目に当たったら1回しか取れなかった。2回目のほうが明らかに体力削れてたのにね。すげーや。T氏の寝技は面白そうだな。
体験の上手い方から「上手いですね」言っていただくが明らかに取らせていただいた感ハンパない。だいたいつかんだ上腕が筋肉質過ぎて只者じゃない。よい練習させていただいたなぁ。
上田さんからはクローズドガードを肘で痛点つかれて解かれそうになるが耐える。てかツラかったのは痛点を肘でぐりぐりする様が可笑しくて腹筋ツラかったからだ。危なかった。
と思い……そうか、クローズドガードをキープする力が上がったなぁ、と気づく。私もはじめのころはクローズドガード10秒キープするのもつらかったよな。今じゃ手加減されててルールの制約があるとはいえ、上田さん相手に30秒キープできるんだな。成長したもんだなぁ……
という感慨は、上田さんにクローズドガードされて力強さにたまげて打ち砕かれる。うはー……いや、これ、それでも手加減されてるぞ。
ああ、うん。
上田さんの格闘技でぎょっとしたのは、初めて組んだときの感触もだった。なんだこの人!?!?と思ったものだ。最近はずいぶん慣れたし解ってるからあのときほど戦慄しないが、やっぱ今も健在だよな、と思う。むしろパワーアップしてるよな。みんな感じないのかな。
つか、いったい私のセンサーは何を感じたのか? 自分じゃ自分のこと鈍いと思ってるんだけど、あのセンサーは間違ってない。加圧に部活の座学……格闘技にその人のすべてが出るってほんとだよな。あの価値観が出てるよな、と思う。
また、上田さんの格闘技が観たいな。

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母の日 / 再会を夢見て

実家近くに引っ越して、7ヶ月経ったのか、と気づく。

17.05.14(日)母の日
何年ぶりかな。母の日に何かしたいと思ったのは。

「お祝いしてもらうのなんて生まれて初めて!」

という母の何回目かの台詞に、とほほな気分になりつつも、いつものことなのでよしとする。
父は用事が入り、母と兄と3人でランチ。候補の中から母が選んだのは、中目黒のロティサリーチキン。
以前は強固に出かけるのを嫌がった母は、だいぶ柔らかくなった。緊張する風情は見せるが、激しく嫌がりはしない。変わったものだ……
兄もメールの返事が本当に早くて、考えてるし喜んでくれるのを感じる。嬉しい。

目黒川沿いを物珍し気に歩く母が可愛い。
ロティサリーチキンは美味しかった。味付けなしに慣れた舌には濃いが。兄のワインが進む。
六本木に出て公園でお散歩。兄がハイボールをチェックしてて芝生でプチピクニック。本当にお酒が好きなのだな。オールフリーでお相伴にあずかる。

夜、花束と、今日の写真と、それから昨年秋に横浜散策した際に書いた文章と写真を印刷してプレゼントした。ようやく渡せた。
母はすでにあの頃のことをきれいに忘れていて、

「こんなことあったのー?」

と言いながら嬉しそうにページを繰っていた。毎日読むそうだ。翌朝も読んでたからほんとかもしれない。
読んでも忘れるから、読むたびに新鮮、とのこと。凹みもするようだが。
いいんだよ、今度、それをガイドブック代わりにまた横浜に行こう。

あのとき、書いたこと。

「いいんだよ、忘れても別に。また行けばいいし。
それに忘れてもいいように、こうして写真をたくさん撮ってたんだ。
何度でも見て、何度でも楽しいことを、思い出そうよ。」

「ボケていいよ。それでしあわせに笑えるなら、さ。」

母だけじゃない。人間だれでも、至上命題は同じ。

  【しあわせになること】

「お母さんがしあわせに笑えるなら、他のことはどうだっていいんだよ。
だからなるべく楽しいことだけ、たくさん覚えていようよ。
こんなふうに楽しかった写真をたくさん残してさ。」

「書いて! 今言ったこと、メモに書いて! また忘れちゃうから!
そうじゃないとまた、お母さんは間違えるから!」

涙ながらに懇願する母。いやいや。

「いいんだよ、忘れても。間違えても。」

“間違える”なんてことが、この世にあると私は思ってないけど。

「別に忘れても、またこうして言うから。」

それこそが私がここに引っ越す理由。

「格闘技で、教えてもらったんだよ。こんなふうにさ……」

手打ちで軽くワンツーを打ってみせる。

「少しは殴るフォームがふつうの人よりは様になってるよね? これって練習したからで。こういう動作もそうだし、ものの考え方も。

ぜんぶは、神経回路が、司ってる。

神経回路を作るには、2万回繰り返すことが必要なんだってさ。
お母さんの場合は半分ボケてるから3万回と思っておこうか。お母さんが『楽しいことを憶えておこう』って自然に思えるまで……つまりは、神経回路ができるまで3万回、私はお母さんにコツコツと言い続けるよ。」

そのために、私はここに引っ越してくるんだ。コツコツと言い続けるには、横浜は遠いから。
自分で自分をしあわせにする方法。一緒にやろう。

3万回もコツコツ言っていないのだが、母は『楽しいことを覚えておこう』と自然に思うようになった。毎日、コロコロとしあわせそうによく笑う。
記憶が怪しくても、思考能力ははるかに高い母に、私は最近、悩み相談もできるようになった。幼いころからは考えられない。
あと何年あるかわからないが、ただこの瞬間を楽しんでいこうと思う。

閑話休題。いろんなことがあったもんだ。
ある方に、とても不快な……怖い思いを、させてしまった。”忠告”という名目で、害意と悪意を込めた言葉を言わせてしまった。
久々に浴びたいわゆる”ディスる”単語の数々はなかなかくるものがあった。胸を氷でえぐられるような感覚。身体の中の大事な何かが冷えて凍る。そして、何を言ってももう、言葉が届かないであろうと感じる、空虚感。
あれらの言葉を吐き出すに至った心理状況は、推測に過ぎないが、なんとなくわかる……たどることができる……

一度生まれた負の感情を、浄化するまでひとりで抱えるのは重い。
害意と悪意の向こうに、悲鳴が聞こえた気がする。怖くて泣きたかったよな。
私にぶつけねばその方は。
しかもその方に生まれた負の感情は、本を正せば私が伝染させたものだ……
私が負の感情にまみれていたとき、気づき、寄り添い、落ち着くようアドバイスをくださったのはその方だった。あの寄り添い方、あのアドバイスはあの方でなければできなかった……
そのおかげで、私は救われ、本当に大切なモノをこの手でまた強く握りすぎて壊す危機を回避することができた。
でもその方は私に振り回される形になった。私の負の感情に触れすぎ重ねすぎてしまったのだ……お優しく、聡明な方だから。感受性が豊かで、繊細で柔らかく、無神経に生きていくにはまともすぎる……だからこそ、伝染ることもできた。胸が痛い。
ならば、この感情は、再度、私が受けるのが筋。今の私なら、再度、伝染っても今度は自力で消化できるから。

あの方は気づいてただろうか。
自らが発した言葉は、自らに還る。賞賛も、忠告も。

人は投影なしには世界を観ることができない。私を表したあれらの言葉はすべて、確実に私の本質をついていた。とても痛かった。
同時に、あの方自身の本質を突いた言葉でもあっただろう。よく似ているから。
だからあの方は、私を理解できた。寄り添い癒すことも、逆に、凍るほどに傷つけることもできた。あれらの言葉は、あの方自身の本質をも、突いている。

いてーな。いろいろと。どう消化したものかな。
扱いあぐねて困りつつ、もらった言葉を並べて転がしながら……ある方を思い出していた。

“自らが発した言葉は、自らに還る。”

これは私のオリジナルではない。教えこんでくださった方がいた。
あの方は……あんなに親身に案じて教えてくださるまでに、どんな経験をされ、どんな想いをされたのかな……と想いを馳せていたら……
同じような経験をされたのかな、と浮かんだ。

そもそもこれらの言葉……教えてくださったあの方を想起させる。私たちよりむしろ、あの方のほうが色濃い。そして上回って結実させて大きな何かを成し遂げてる……私にとって、格闘技の入り口になった、とても大好きな、尊敬する格闘家。格闘技に全く無縁の生活をし、あのまま一生を終えるはずだった私にまで届くくらいに、門戸を広げていてくださった、あの方。私にとっての格闘技が”とても、真剣で楽しくて暖かくて優しい”になった……生まれてきてよかったって実感を、最っ高のしあわせな出逢いの数々を、贈り物を、私にくれた方。
あれは、あんな言葉で表現される性質を持たなかったら、成し得ぬことじゃないか?
そんな視点で見てみたら、もらった言葉はすべて、格闘家として上手く強くなり、もっと上に行くには必須の性質ばかりに見えた。いい・悪いは置いといて、とにかく強烈にこれらを持ち合わせたうえで、適切な方向に放出せねば、強くて魅力的な格闘家にはなれない……さらにその先……人に強く深く広く影響を与えられはしない……

そうか、似てるのか。私は。あの方に。
格闘家として必須の強烈な性質が。

気付いた時のゾクゾク感。
そっかぁ……どんなに技術なくてもフィジカル残念でも、練習できてなくて、この先どこにもたどり着けなかったとしても、それでも私の性質だけはいっちょ前に、格闘家なのか。
だって……誰があの方が格闘家であることを否定できるよ? 元世界チャンピオンを。ただ強いだけじゃない。魅力的で、目が吸い寄せられる……強烈な艶やかさ。
そんな方に、格闘家として必須の性質が似てるなら。
“私は格闘家なのかもしんない”と初めて自ら思えた。痺れるほど、嬉しかった。幸福、だった。

私がもらったあれらの言葉は、賞賛の言葉だ。私は、”闘う人、格闘家としての性質を持ち合わせている”、と。
でも振り回されぬようコントロールせねば、本当の意味で格闘家にはなれない。
コントロールできてないから、あれらの言葉が害意と悪意をまとい傷つけあう言葉になる。
コントロールできれば、たくさんの人をしあわせにする能力を示す、この上ない賞賛の言葉になる。
方向をコントロールしたうえで、これでもかと上空高くぶっ放して突き抜けさせればいい。遠慮も躊躇いも要らない。そんなものは推進力を損なわせる。方向だけ気を付けたら、あとはただただとにかく、放出すればいい。
遠く。どこまでも遠くへ。
それだけのことだ。

いつか気づくだろう。
クズに魅入られて見つめ続け、自らもクズだと言ってしまうあの方も。あの方は本来、自身を”クズ”だと自認してしまう状況に甘んじられるような、ぬるい方ではない。
だってあの精神、あの身体は、自ら闘う人でしか勝ち得ない、素晴らしいモノだったから。
変化が急すぎたから、環境も心も頭も追いつききれてないだけ。
すべてを麻痺させていたから、あの場所にいられたのだ。
ハッキリと覚醒した身体と心と頭で世界を見渡したら、いずれ気づく。
今いる場所が、自身の居場所じゃないって。居心地が悪い、って。
やがて、言語が通じなくなったことに気づく。
そして、そこでは自らの本当の望みが叶わないことに気づく。
そうしたら、そこにいるのに耐えられなくなる。

誰しも抱く本当の望みは”理解者を得る”こと。
仲間を……友だちを、得ること。
そこには、いない。

時が来たらいずれ、自身のいるべき場所へと歩き出すだろう。何を案じる必要もない。
私は、先に行く。私のいるべき場所へ。

あの最悪のときに、害意と悪意をぶつけられても私はブレなかった。
私は、そんな人間になれていた。
話すうちに、自分の為すべきこと、為したいことがくっきりとわかった。
私は、あのままだったら後悔した。
そう気づかされた。
告げた自分の言葉で自分の背中を押し、ようやく自分の手で退路を断てた。
心から、感謝している……どんな痛い出来事も、私はすべて、糧にしてみせる。

強くなる。
守れるように。
出来ることを、増やす。

縁があったら、いつかまた交差する日も、くるだろう。歩き続けていれば、いつか。
再会を夢見て。

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ポジティブモンスターTシャツZST.56版

なんで私がこんな目に……

17.05.13(土)【GSA】パーソナルトレーニング(加圧):上田さん
今日はT氏が加圧体験、続けて私のいつものヤツ。時間ギリギリに到着したらなんともうとっくに始めてた。薄情な。待っててくれたっていいじゃん。
と、邪魔にならぬよう隅に座ると上田さんが私のTシャツに目をとめる。

「そのTシャツ、見せてください。袋から出したところ見てないんですよ。」

なんで見てないんですか、作った本人が。売り物だからか。
上田さんが私の腹をじっくり検分。
……そして、吹き出す。

「改めて広げてみるとめっちゃイラッとしますね! その顔に半月蹴り入れたい、ちょうどいい位置!」

人の腹見て吹くとかめっちゃ失礼! モチーフになったご本人ですよね!?

すると嬉しそうに上田さんが同じポーズをしてみせる。
うあーーーサイアクだ、くっそイラつく!! ダブルでイラつく!!

前回の加圧トレーニング時に、チケット特典のポジティブモンスターTシャツ ZST.56限定版を頂いていた。せっかくの練習着、着ないともったいないじゃないですか。だから次のトレーニングで着てくるじゃないですか。
そして今に至る。

薄々わかっちゃいたが、このTシャツ、勝手知ったるGSP館内を歩くだけでも相当、恥ずかしい。思わず暑いのにパーカー羽織って移動した。
なんで私はこんな辱めに遭ってるんだろう……?

何処で道を誤ったのだろう、と半眼で記憶を辿る最中にもT氏のトレーニングは進む。既に上半身は終わったようで下半身にベルトを装着していた。そしてもうへばり気味?
下半身はスクワットと踵上げ。スクワットがぎこちない。エラいそろそろーっと身体を沈めるのだが沈みきらない。ふむ。

「スクワットができないのは引きますね。僕らの視点ではありえないです。ずいぶん不自由な身体で生きていると思いますよ。」

との上田さんの言葉。そうですね……最近T氏とかにたまに言われるが気付けば私も”そちら側”の人間に入りつつあるらしい……相変わらず人権は認められてない中途半端な立ち位置だが。
なので私も、スクワットは回数こなせないのはまだしも、それっぽいフォームもできないのはマズい身体だと思う。少々、引く。特に男性でスクワットができないとか、ないわ。どんな不自由な身体だ。

上田さんが

「Tさんにもわかりやすく例えましょう。スマホで言えば……」

からの比喩は本当に容赦なかった。メール使えない、LINEはインストールされてない、他のアプリも入ってない、wifi使えない、カメラももちろん使えない、通話は2分のみ……あとなんだっけ? とにかくもう、スマホじゃない。そんなもの。

「それに気づかず”使えるよ?”と安穏と使っている想像力がない状態が、今のTさんです。」

ですねぇ……そしてそれは過去の私でもある。
まぁ加圧体験をして、継続することも決めたのだ。あとは時間の問題だろう。
それにその年齡で気づけたのだ。まったく……

使わないんなら寄越せよ、その身体。

と思わず毒づく。ふたりそろって怖がられる。そうか、T氏がいると気安すぎてつい会社での顔が出る。格闘技やってると毒づきたくなる場面がほぼ皆無なんだよな……環境と人に恵まれてるからな。や、会社も恵まれてるんですけどね。利潤追求の場だといろいろとごにょごにょ。
いや、自分の身体も年齡も気に入ってるからいいんですけどね。T氏が、そんだけ可能性がまだあって恵まれてるのにドブに打ち捨てて腐らそうとしてるのを見ると、もったいなくってイラッとするんですよ。私がどんなに望んでも努力しても手に入らないモノを、持ってるのにね、って。

さて、私のトレーニング。今度はT氏が見学。

「久禮さんのトレーニングは参考になると思いますよ。ひとつひとつ意識を高く持って取り組むとこうなるのか、と学べるところがあると思います。」

……そぉですかぁー……?
…………そんな言われることが最近ないので気味が悪くて居心地が悪い……だいたい私は意識高くないしな。練習もできてないし。意識高かったらとっくにもっとマシな身体になっとる。
ただ、そんなんでも1年半やってりゃこうなるって意味では、いいサンプルだと思う。なにせT氏は4年来の付き合い。私の残念な時期をよく知っている。あの頃と今を比べられるものな。

T氏の今日の負荷と、私の1年半前の負荷がほぼ同程度なことを改めて確認。
で、今の私の負荷が

「5倍位ですね。」

とのこと。へー……そこまでなったんだ。
で、アームカールから始めるわけだが……なんなんすか、この苦行……
いつも前面の鏡を見てやるわけだが、これ、今日は見たら負けだ。目が合う。自分の腹と。吹いたら余計に負荷が増す。全力で鏡から目をそらそう……
続けてベンチプレス。これは仰向けだから鏡を見ずに済む、とほっとするのだが。

「始め、イラストがもっと可愛かったんですよ。なので作者の方に『もう少しイラッとする感じにしてくれ』とオーダーしたんです。そうしたら予想を上回る出来、8割増しくらいでイラッとする仕上がりになって、プロはすごいなと思いました。」
「へぇ、どのへんが変わったんですかね? どこがイラッとするのか……口元?」
「そうですね、この三角形の微妙な角度がおそらくイラッとさせるのだと思うんですよ。プロだからできる微妙なさじ加減なのでしょうね。」
「確かにこう手で隠してみると……口が絶妙な感じがしますね。」

ふたりして人の腹を上から覗き込んで品評するの、やめてもらえます?

続けざまのバタフライは鏡がより接近してきて苦行度が増した。しかもトレーニングの動きに合わせて腹が動く……カンベンしてくれ。なんなんだこの罰ゲーム。なんで私が。

下半身に移って腹筋。重りを持ってやることにT氏がすげーと言ってくれる。

いや、今日は笑わされてないから楽よ?

「なんですか、いつも僕は真面目ですよ!」

思わず目をそらしてフリーズする。

「いつも真面目な話ばかりしてますよ。この間だって尖閣諸島について論じたじゃないですか。」

あーそうでしたっけ。すみません、ちょっと失念したのでもう1回お願いできますか?

「あーそう来ましたか。えー……あれは難しい話です。」

ですよねー。
T氏、これからがんばってね。腹筋のときが笑かされると一番ツライよ?

最後はスクワット。これも重いのを担いでやる。女性ではこれが一応最重量でこれ以上は上げる予定はないらしい。へー。じゃぁ加圧具合や回数増やす方向なのかな、今後は。
で……うあー……最後のコレが一番くる……動きが合いすぎる……

なんで買った上にこんな目に遭うんですか……

「買った人が悪いです。」

売っといて言いますかそーゆーこと!?

「ピストルと同じ話ですよ。ピストルを使って悪事を働いた人が悪いのであって、ピストルを作った人が悪いわけじゃないです。使った人の責任です。」

またそういう詭弁をぉぉぉ……そろそろ華花粉を取り締まる条例の制定しないとよろしくないんじゃないでしょーかっ。
もー今度はウイルス性口内炎になってしまえ! そいでその舌もげてチキンサラダを口いっぱいに頬張っても味がわからなくなってしまえ!! それでも総合格闘技は出来るものな! なんの問題もないな!!

「そのTシャツは排水口掃除に使うといいですよ。あ、猫のトイレにもいいですね!」

猫のトイレになんて使ったら絶対、身悶えして喜ぶでしょ……やりませんよ絶対に。このド変態め。

17.05.13(土)【GSA】MMAグループトレーニング部(格闘技1.0h):上田さん
座学。
T氏の足を見て疑問だったのが、他の人との違い。男女差かな?と思ったらそうでもなかった。代謝機能のお話。まだぜんぶがリアルに腑に落ちた感じではないが、なんとなくわかった。メタボリックシンドローム=デブ、ではない。減量末期は上田さんは細身でもメタボリック状態。
T氏は最大HPが低くて現在HPが高い状態。なので最大HPを高くする対応が必要。
私の場合は最大HPも現在HPも目を覆う状態だったので両方を上げていかねばならず現在進行形。なるほどねぇ。
そして代謝機能とはなんぞや? ふむー。奥が深いな。

それからT氏の栄養関係のお話。いろいろ派生していく。
そうね、たくさん話したけど……1番印象に残った話。
上田さんが随分前に観たテレビのバラエティ番組の話。んーと、銭形金太郎かな? あるビンボーさんのエピソードが強烈だった。
その方は全自動の洗濯機を持ってらした。
だがホースがない。ので、洗濯をする際にわざわざご自身で水を汲んで入れていたのだ、という。しかも洗剤投入して洗うときと、すすぎのときと2回。
レポーターのくりぃむしちゅーの上田さんが思わずツッコむ。

「え、すすぎのときも? その間どうしてるの? まさか待ってるの?」
「はい、洗濯機の前で待ってます。」

えええええ。めんどくさっ。

「いや、蛇口あるんだからホース買ったほうが早いよ!」
「いえ、いいんです。ホース買ったほうがめんどくさいんで。」

えええええ意味がわからない。

「いや、試してみろよ。俺が買ってやるから! そのほうが絶対、楽だって!」
「やめてください! そんなことしたら恐ろしいことが起きます!」

曰く、引っ越しのときにまたホースを外すのがめんどくさいから、ホースをつけないらしい。
絶句……。
そしてトレーナーのほうの上田さんが言う。

「今のTさんは我々の目から見たらこれと同じことをしてるんです。」
「えええ。」

あー……うん。ほんとにそうだ。

「想像力が欠如しているんです。変わることを恐れている。”めんどくさいから”と言って、猛烈にめんどくさいことをしているんですよ。」

ですね……何につけても。なので見てるとときどき頭をかきむしって目を疑いそうになる。なんでそうなる!?って。

「Tさんは既にMMAクラスも出てて僕と付き合いが長いので、既にある程度わかっているだろう、と、こういう話をそのまましています。体験に来てすぐの方には普通は言わないのですが。
栄養の話に取り組んでるように見えて、その実はこの想像力を上げる、取り戻す取り組みをしているんですよ。
一番取り組みやすいのが、自分でコントロールしやすい栄養なので、栄養を切り口にしているんです。」

そして栄養状態がよくなることで、思考回路もまともになりやすくなるから。
そう……で、想像力を取り戻す試みがつまりは、自分で自分をしあわせにする力であり、しあわせになる能力……

T氏が”ええ?”と言いながらも既に頭では薄々わかってるだろうな、と眺めつつ思う。
私もまだまだなんだよな。あの洗濯機のホース的な、自分じゃ気づかない想像力の欠如箇所がまだきっとある。ようやく何かが少しつかめかけてきたところなんだ……高みの見物だなんて到底できない。

他にもいろいろおもしろいお話が聞けた。自らのしあわせに無頓着な人を見つけるのがうまくて、しあわせをピンはねする奴隷商人のお話。一番効率よくしあわせを感じるために、上田さんが選んだ方法。

「どんなに美味しいものも、倍美味しい、ってことはないんですよ。コンビニ飯とミシュラン三つ星料理の間に倍の差はないです。」

異論ある方が多そうではあるが。
この2週間の取り組みでT氏が得た結論。自身で驚愕していたのは『自分は食べ物に興味がなく、なんでもいい人間だったんだ』という実感。なのでT氏には腑に落ちてしまうだろう、この話。

「実際の食事に倍の美味しさの差はない。ならどうしたらより美味しいと感じられるか?
料理に差がないなら、自らの感覚を、倍、美味しく感じるようにすればいいんです。」

そうして構築したのが上田さんの現状。猛烈に水が美味いと感じるには。
上田さんほどでなくとも、私でも、つくづく水が美味いと感じる瞬間が増えた。そしてごはんも。
確かにこれは”たった1杯の水”から得られる幸福が増しているってことだ。とてもシンプルな”しあわせになる能力”。
人がしあわせになるために、大金が必要なわけではない。自分の基準を変えてやればいい。外的要因によらずに、内的要因を変えるだけで、”自分で自分を最低限度、しあわせにすることはできる”。
人間、生きていたら勉強とトレーニングしかやることはないってほんとだな。

「Tさんは既に、グループページに食事を投稿してメンバーの食事を見たじゃないですか?」

そう、あれは本当に嬉しかった。部活っぽくて。
T氏が投稿したのをきっかけに、結局、メンバー全員が自分の食事写真を投稿した。ああやってみんなのごはんを見比べるのは本当に面白かった。上田さんやみんなのコメントを見るのも。

「あんなふうに仲間がいるんです。同じように、もしくは既に、取り組んでいる仲間が。なら楽しくて意識も高めやすくて簡単じゃないですか?」

そうですよね。私自身が楽しかった。嬉しかったなー……
仲間がいる。楽しんで互いを高められるって、サイコーですね。
グループトレーニング……部活を始めて、本当によかったです。みんながどんなふうに楽しむのか。変わっていくのか。それを邪魔にならないように、サポートをしながら見守るのは格別だ。どんなサポートが出来るかなぁって考えるのも……
自分がただやるだけじゃ得られない楽しみを、得ることができた。感謝だ。

17.05.13(土)【GSA】初心者MMA:上田さん
上田さんクラスシャドウで常々言われている「回転を意識する」をちょー強力に意識した上で、上田さんから「今日はこのまま打撃練習を多めに取ります。」とのこと。ここ2回で取り組んだストレートもコミでやってみますか。

というテーマもありつつ、今日の裏?テーマはボディ対策。てか、もうそれしか記憶に残ってない。

「お前、ZST.56とか言ってっけど、出れてねぇかんな?」

人の腹にガチでメンチ切るのやめてもらえますか? プロの総合格闘家が本気でケンカ売ってこないでください。つーか自分の顔ですよねぇッ!?
いつも以上にフェイントが気合い入ってますね!? 腹にいいの食らってめっちゃ悔しい……わかってるのにっ。そしてガッツポーズが常以上の上田さん。

「39度超の熱出て倒れてたからな?」

そいつは災難でしたね、と思いますが、なんで私がこんな目に……

いつもの方も視線が私を見てませんね? 完全に私の腹ですね? 遊び心満載に、腹狙いますかやっぱり!!!
T氏も

「その顔に一発入れたい……」

完全に腹狙い……狙ってこないのは一人だけか。安定ですね。
しかしT氏はさすがに腹狙いなのが見えすぎててなかなか食らいませぬな。ガードが甘くなっちゃってるから反撃がしやすい。しかしこうまで腹を狙われると……
なんで私はこうまでしてコレを守ってるんだ……

「愛ですねー」

うるせーーー!!! 思わずストレートとフックがだいぶ本気の軌道で出ちゃった。ごめんよ。てかぜんぶあの人が悪い……なんでこんな目に。

寝技練習は巴投げを総合格闘技っぽく。巴投げな感じからポジション取ったりヘリコプター腕十字。ほぅほぅ。いろんな技が在るもんだ。若干、私がやるにはツラい……同階級なら、いけるのかな。

終了時、上田さんのクライアントな方がいらっしゃる。おお、LINEスタンプ”オタくま””前髪体操お兄さん”の作者な方! よいタイミングでお会い出来た! とTシャツを見せに伺う。

すっげーボディ狙われました! 前回以上でした!!

喜んでいただけてお話できた。

聞いてみたかったんです。このTシャツの”イラッとくる”ののポイントってどこですか?

「えー……そんな意識してないですよ? ただ本人に似せただけで。」

ああ……なるほど、似せればイラッとするようになってたんですね。モチーフの問題ですか。すげー納得しました。
再現性が高いのですねぇ……それがこの方の技術力か。激しく納得。すごくシンプルな線からなっているのに、ものすごくよく似ている。よく見てらっしゃるなぁ……
上田さんのクライアントな方々は本当にいろんな方がいて興味深い。

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華、散らず。

ほんとに3日で治してきた……。

17.05.08(月)【GSA】パーソナルトレーニング(加圧0.5h):上田さん
『3日で治る』のLINEスタンプ。あれは瀕死の病も対象範囲だったのか。
なんと今日は10件も指導とのこと。理由を改めて聞き、そうだろなぁ……と思う。
面やつれは見受けられるし元気とまでは言えなくても、

「これでもだいぶ調子がよくなりました。」

とのことで、どんな推移だったのかを微に入り細に入り聞かせてくださる。聞いてるだけでドキドキする。
ところどころで笑いも交えてくださるが。

「生まれて初めて本当に死ぬと思いました。」

ですよね……よく、生きてたな……
それと、そんな状態でやはり冷静でもあったんだな……
シミュレーションされたそうだ。水分をムリヤリ補給したから、キャッチウェイトでなんとか、とか計量オーバーを罰金でまかなって……とか。でもどう考えたところで身体が動くはずもなく。

「これで引退かぁと思いました。」

と苦笑いされる。
そうですね……私も、大丈夫、生きてる、とムリヤリ自分を納得させるのと、それが頭をよぎるのと、なかなか脳内が忙しかったです。
ま、所詮、外野だし、考えるだけ無駄だしなぁとガッツリZSTを堪能してましたが。

身体症状と重ね合わせて栄養の座学を少々。なるほど、脱水症状回復期に回避すべきモノ、摂るべきモノ。知らんかった。勉強になる。
その状態の上田さんに“マヅい”と言わしめるモノがあったことに驚愕。初めて聞いた。あとで買ってみようと算段する。

上田さんがポロリと言う。

「誰も責めないんです……」

そうかな、と思いました。人徳ですねぇ。そして関係の方々も……
思わず笑みがこぼれる。

そして目下の悩みは無数。
やはり格闘技界のお詫びはサラリーマンとは異なるなぁ、と聞き入る。どうしても耳を傾けつつ笑みがこぼれる。

だんだんと嘆きになる。上田さんがうずくまり、頭を垂れる。ああ、見事に華麗に盛大に、ネガティブモード全開。
よいですね。嘆けるって、よいですね。思わず笑みが深くなる。

「負けることすら出来なかったんですよ。」

そうですね。

「負けることが出来るだけでも勝ちですよ、思い知りましたよ。」

そうですよねぇ。

「リングに上がることすら出来なかった。」

そうですね。
リングの上で死にかけるどころか、上がる前に死にかけましたね。なかなかない。

「写真見て、どうして自分があそこにいないんだろうと思いました。」

そうですね。
私も思いました。
“どうしてあそこに上田さんがいないんだろう?”

「この数ヶ月の彼の練習を無駄にしました。彼の時間を。」

ですね……

「自分も……」

そうですね。限りある格闘家人生の、貴重な数ヶ月を。
上田さんが垂れてた頭をがばっと上げて、キッ、とこちらを見る。

「でも格闘技やめませんよ!」

……………………!!
はい!

「あああーーでもまたミスしたらどうしようーー感染経路がわからないどうやったら防げるんだぁーーー次やったら今度こそ……」

盛大に突っ伏す。いっそ清々しいくらいに嘆きが入る。
いや、確率論的に考えれば大丈夫じゃないですか?
気休めを言いつつ思わず笑う。私はもう……

上田さんが生きてる。
総合格闘技を自ら辞める気もない。

もうそれだけで充分すぎる、私には。
だったらもう、時間の問題だ。これからしんどいだろう。大変だろう。
それでも上田さんはなんとかするから。
安心して、観察する。

上田さんの華は、まだ散らない。

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観戦 ZST.56 花粉のような華やかさ

上田さん欠場とはいえ、他にも楽しみな試合がいくつもあったのだ。今回も最前列でかぶりつきなのだ。

17.05.06(土)【観戦】ZST.56@新宿FACE
入場してすぐに剛さんをお見かけできてご挨拶。そうか、今日はチャンピオンな方々がいらっしゃるってあったなぁ。お元気そうで嬉しい。
小池さんも声をかけてくださって嬉しいー(*ノノ) 今日もお忙しそうだ。
それから私の座席は本部席の真後ろで……

「あら、特等席。」

と声をかけてくださって真ん前に座るのが勝村さん。そのお隣には田沼さん。うはー……(*ノノ)

■SWAT!159 第1試合 ZSTルール/フェザー級/5分2ラウンド
寺本 大輔(リバーサルジム横浜グランドスラム)vs 小川 将貴(ビロクテテス新潟)
いつもお優しい顔の寺本さんのお顔が戦闘モード。ピリピリしている。いい打撃が入ってて思わず力が入る。最後、三角絞めの体勢にいい形で入り、見入ってたところでさらに腕十字に移行、勝利!!
うわぁぁぁーーーーー(*☻-☻*)
雄叫ぶ寺本さん。うるむ目。セコンドのうっちーさんも大喜び! あああ嬉しいーーーーー(*ノノ)
次はZST本戦? 本戦っ?

■ 第1試合ZSTルール/フライ級/5分2ラウンド
“ZSTの中間管理職”榊原 徹(U-FILE CAMP登戸)vs “褐色のパーティアニマル”有川 直毅(K-PLACE埼玉格闘技道場)
有川さんだっ。冒頭から有川さんの特攻!! 前回のSWATを彷彿とさせる。でも榊原さんはそのままにはされない。小池さんと荻窪さんの指示に思わず聞き入る。やはり有川さんはあの勢いが持ち味なわけで……! 最後はさすがにあの波状攻撃はスタミナ削られて、お互いにへろへろで、でもそのままでは終わらない感じがっ。
有川さんが判定勝利。榊原さんもすごかったよぅーー

■ 第2試合 ZSTルール/フェザー級/5分2ラウンド
“寝業地蔵”花輪 裕樹(RBアカデミー) vs “ラスト風サムライ”川村 謙(リバーサルジム東京スタンドアウト)
お地蔵様とお侍様の対決かぁ、と煽りVを見て合点がいく。花輪さんの合掌姿はガチすぎる。
冒頭、ローブローが花輪さんに入ってしまう。のを見たときに、部活で上田さんから受けた解説が頭をよぎる。こりは……
試合は続行。花輪さんのバックポジションキープが冴える。川村さんは川村さんで前回の試合でも光ったその体制からの顔面への打撃を入れまくる。あれ、そーとー難しいと思うんだけど……
しかし”寝技”ならぬ”寝業”ともなると花輪さんの執念、凄い。あれは極められ切らなかった川村さんも凄いなぁ。
バックポジションキープしまくった花輪さんの判定勝ち。

■ 第3試合 ZSTルール/フェザー級/5分2ラウンド
“プチ暴言スーパールーキー”浜松 ヤマト(T・GRIP Tokyo) vs “コリアン・スタンビート”パク・ヘジン(韓国/SSEN GYM)
キャッチコピーが両者ともにハンパない……。上田さん情報によると、浜松さんはレスリング経験ありでテイクダウンがお強いとのこと。そのあたりに注目してたが、パクさんがまたお強いな……! パクさんがバックポジションをキープしまくる。うん……ふつう、バックポジション取られてたらそんな感じになるよね……?
最後の最後で浜松さんが腕十字を極められそうなところを抜けて渾身のパウンド! びっくりしたぁ。そのままでは終わらないあの勢いは素敵だ。
パクさんの判定勝ち。

■ 第4試合 ZSTルール/フェザー級/5分2ラウンド
“ナチュラル・ガル”金井塚 信之(リバーサルジム東京スタンドアウト)vs “ネバーエンディングファイター”平田 真徳(ALLIANCE)
金井塚さんはずいぶん拝見してきたがまた一段とお身体がよい感じのような……? フェザー級3試合続けてみた中で、一番、あの身体やべぇ、と感じる。
序盤から平田さん、苦しい展開。とはいえいいようにはさせない、がんばるものの……
これも上田さん解説通りだな。金井塚さんが平田さんのやりたいことをやらせず封じる印象。
最後はどびっくりした! 金井塚さんが平田さんを削ったところで流れるように鮮やかな腕十字……! あれは美しい……

■ 第5試合 ZSTルール/フライ級/5分2ラウンド
“たむたむきんに君”田村 淳(拳心會)vs “韓国のハードヒッター”ユン・ホヨン(韓国/SSEN GYM)
田村さんの相変わらずのあの腕が触角のような動きが思わず目が行く。
リーチが長い田村さんと、それより短いユンさんの間合いの取り合いなのだなぁ……田村さんが後ろに距離を取り、ユンさんが詰めていく。昨日、盛一郎さんに教えていただいたのにまったく出来なかったあれがこれやな……と思わず考える。互いの間合いの取り合い勝負……
ドロー。珍しいな。

■チャンピオンお三方のご挨拶
フライ級チャンピオンの盛一郎さんはRIZIN初勝利の凱旋報告。次は1本 or KOの完全勝利ですねっ。
バンタム級チャンピオンの剛さんもRIZINバンタム級トーナメント出場する、とのこと。そうかぁー……また観に行かなきゃな。
フェザー級チャンピオンの加藤さんは修斗に参戦される。後ろから拝見してても既にお身体がとても精悍で臨戦態勢待ったなしなのを感じる。
チャンピオンな方々の外交活動&活躍に期待だ。皆さまが戻られる頃にZSTは生え抜きの方たちでどんな勢力図になってるのか? 戻られた方々との対戦は? 連れて帰ってきてくださるであろう外部のお強い方々、新しくZSTを知る観客の方々は……妄想が膨らむ。
新しい風を呼び入れ、新しい景色を見せてくださるのだろう。楽しみだ。

■ 第6試合ZSTルール/バンタム級/5分2ラウンド
“BRAVEハート”坂巻 魁斗(BRAVE GYM)vs “湾岸オールマイティ”松下 祐介(パラエストラTB)
オールラウンダー対決。おふたりとも個人的にとても気になっている選手なのだが、やはり今日はどうにも松下さんに全力で感情移入になる。松下さんも凄く気合いが入ってらっしゃるなぁ、と……
冒頭で坂巻さんの打撃がいい勢いで入るものの、松下さんも負けずに入れ替えす。攻めあぐねる雰囲気も感じるものの、果敢に飛び込んでテイクダウンしにかかる。坂巻さんが、がぶって切ろうとするも、松下さんは切らせきらない。そんな展開。
「倒せるよ!」の松下さん、上田さんの師匠な方の声。
それでもやはり坂巻さんは……お強い、よなぁ。有利なポジションを維持する時間が長くなる。バンタム級になってさらに身体が大きくしっかりされたよな。
2ラウンド目終盤、松下さんが完全に捕まり、バックポジションを取られる。バックマウントも。チョークが極まるか?とドキドキするが、松下さんは意地でも取らせきらない。血が流れてても目が絶対に、どの上体からでも起死回生を狙い続ける。
坂巻さんの判定勝ち。お強い。
退場する松下さんの姿にうるうるした。上田さんの分も、闘ってらした、ですよね……
坂巻さんのマイク。坂巻さんもRIZINバンタム級トーナメントに出るんだ……! どんなことになるんかなぁ。すごそうだなぁ……
あと、6月17日は沖縄でAKB総選挙ですね。覚えました。推し変のこじまこちゃんが上位に躍進されますように……!

■ 第7試合ZSTルール/ライト級/5分2ラウンド
“一撃必倒”高橋 弘(パンクラスイズム横浜/蒼天塾) vs “ゴールデンフライ”小金 翔(フリー)
これまた注目カード。ライト級戦線を左右する。
打撃の探り合いな展開が続く。高橋さん陣営が”動”で小金さん陣営が”静”。思わずセコンドの方々にも目が行く。
正直言えば、現チャンピオンの平さんに勝ったことある高橋さんが有利かな?と思ってたのだ。
が、なんと圧巻。小金さんがバックポジションからパウンドを落としチョーク、TKOをもぎ取った!! 高橋さんが失神。なんと……
ライト級、これからどうなるんだろ?
小金さんマイク。なんとRIZIN出たいを3回も言った! はぇー……

■ “ワイルドキャット”竿本さんご挨拶
上田さんが計量当日にウィルス性腸炎を発症。試合出来る状態ではなくなり欠場となった。
それを受けて竿本さんのマイク。

「話すのが苦手なんですけど」

からのマイクぽんぽんしての確認とかに思わず笑みが溢れる。
お悔しい、だろうな……想像でしかないけれど。今日に向けてたくさん練習を積まれたのだから。それでも、上田さんのことを悪く言うことは1度もないのだものな。闘って”踏み台”にしたかったところだものなぁ……おかしくはないのに。素敵だ。
そして盛一郎さんとの対戦をご所望。ですよね。注目だ。

■メインイベント/ZSTルール/無差別級/5分2ラウンド
“第2代ライト級王者/暴走柔術”平 信一(綱島柔術)vs “カメルーンの筋肉獣”マックス・ザ・ボディ(BRAVE GYM)
マックスさん、でけぇ……! 完全に別な生き物感。平さんも安定の決めポーズ。
冒頭から平さんがまさに猪突猛進!! これや! んでもマックスさんのパワーの前にポジション取られる。うへぇ!? な展開。
マックスさんのパワー vs 平さんのテクニックな感じ、か? 平さんが上回るものの、ヒヤッとする。
第1ラウンド最後、平さんがなんとマックスさんを抱えあげんとする……! え、あれってパイルドライバーってヤツですよね……!? 投技炸裂か!?と場内がどよめく。が、重さに耐えかねたようで不発で逆にピンチを招く。ゴングで救われる。うんうん。すっげー!!
第2ラウンドは平さんの王者決定戦の際にも観たあのパウンドが炸裂する。が、マックスさんのパワーがすごくて抑え込むのに難儀&抑え込んでるのにブリッジで返される!? ポジションを返されパウンドにビビる。が、取り返す! さすがチャンピオン……仮想ボブ・サップに負けるわけにはいかない。
平さんの判定勝ち。

マイクアピールで「海外行っちゃうよ!?」に笑う。生で観たからなぁ、RIZINのKINGレイナさん! でもわからない人も多いようで。格闘技好きというより、ZST好き、ZSTの贔屓の選手好きな人も多いのかなぁと想像。平さんの次戦はどうなるんだろー……

会場出たら

「くれさん! なんか買ってくださいよ!」

と呼び止められる。いつものスタッフさんー。でももう、私、全アイテム購入済みですよ。

「ですよねぇ。あ、じゃ、この鏡。」

はぁ。前に『上田さんしか持ってないですよ、この鏡!』て売り文句に爆笑しちゃってつい買っちゃったヤツですね。

「上田さんに『これで自分の顔見て元気出して!』て励ましてあげてください!」

なんすかそれ!!
上田さんの名前出せば何でも買うと思ってるでしょッ!?!?!?
会場をあとにする。
背中から聞こえる『さすがくれさん。』の言葉は聞こえなかったことにする。

いなくても、ある方だなぁ。存在感。
みんな、気にしてる。
途中で盛一郎さんが話しかけてくださった。

「上田さん、ビックリしましたね。」

はいー……
ウイルス性腸炎。知ったときから、発症のタイミングが気になっていて……知って、ぞっとした。あのタイミングでは……
盛一郎さんも、ですね、と頷いてくださる。心配、してくださってるのだよなぁ。盛一郎さんはいつもお優しい。

昨日のうちに上田さんからメッセージをいただいてた。チケット買われた全員の方に送られたのだろうな。……タイミングが。

水抜きが終わった直後、会場に到着する前に、発症したのだよな。尋常じゃない……最悪のタイミング……
試合どころか、よくぞ、生きててくださった……

上田さんのメッセージ。Facebookでのお詫び文。
胸が痛む。
サラリーマンで福利厚生充実してるなら、疾病休暇で給料もらいながら休める。
でも格闘家の方の場合……信用問題で、まず真っ先に謝らねば、ならないのだよな……
選手の方……チケットを手売りされてる方は、その方の試合が観たくてチケットを買う方が多いから……ぜんぶを背負い込む……
以前、インフルエンザで欠場された方のその後の処分をネットで見かけたことがある。その団体での出場を禁止になっていた、な……
イベントを開催することの重みは過去の業務で横目でちら見してきた。その重みは、想像に過ぎないが、重いよな。

“上田さんの試合が、また観たい”

これまで無邪気に言ってきた、たったそれだけの言葉が、喉につかえる感覚。
私ですら、この状態。
上田さんは脱水症状と熱に冒されながら、どんななんかと思うと……

なんて感傷にひたった時間もあったけれど。
ひたったところでなんもならないんだよなぁ、と思う。

ふと思ってしまったのだ。
この最低最悪のタイミングで発症したウイルス性腸炎でも完全に散らせない華とは、ほんっとうに、すげーな……。
生きてるなら、あの方はもうどうとでもしてくるんじゃね?と。

今日、気付いてしまった。
あの上田さんのあの華は、伝染る。

竿本さんについてT氏が語った言葉。

「いや、上田さんと対戦するって言うから、つい調べちゃってさ。竿本さん、気になる選手になっちゃった。これからずっとチェックして応援しちゃうと思う。」

私もまったく同じことを思っていた。
個体識別が超苦手な私が、今日は瞬時に竿本さんを認識して思わず“竿本さんだぁっ!!”とじーっと見つめちゃって自分でびっくりした。ずいぶんチェックしたものなぁ……気になるし、応援しちゃうよ。

これは、竿本さんに上田さんの華が伝染ったってヤツなんじゃないか、と感じる。思い返せば……そんな方がとてもたくさん。上田さんに関わる方々には漏れなくなんかがついて回る。
上田さんの華……最近ほんとに、花粉並みに飛散している気がする。あの華、めんどくさい方向にバージョンアップしてるような……だからこう……望む望まないに関係なく、いなくなるの、ムリなんじゃね?と……
みんな、待ってるんだと思う。きっと、ふつうに。
たぶんそれは、上田さんが培ってきた信頼。

もし万々が一、試合出なくなったとしても、教わりたいことは日増しに山ほど積み上がってくし、体験お願いしてる人もいるし、また出てくるはずだし。類友ハンパない。お仕事してくださらないと、とても困る。

ますます興味が増した。
“身体作り”のエキスパートのトレーナーさんはこの状態からどれくらいでどんなふうに回復してくるんだろ? どんなエビデンスを、果実を、まさに命がけで、今度は獲ってきたのかな?
“しあわせになる能力”を表現し、伝えるトレーナーさんは、この出来事をどんなふうに消化し、しあわせの糧にしてみせるのかなぁ?
生きてるなら。あの方はどうとでもしてくる。ポジティブモンスターだもの。
あの方の華を完全に散らすのは、何人たりとも、病たりともムリなんじゃないか……
そしてあの方の華は払っても払っても舞って降り注ぎ……気付けば共に在り、タネが植え付けられ、その人の中に芽吹き……応援し共に闘ってくださる。

まさに、花粉のような、華やかさ。

T氏と栄養の話をしてたときの言葉。
4年前の私なら、T氏同様に、今の上田さんの食事を見て”ムリ”とドン引きしてただろう。でも今の私は素で”美味しそう”と”アレ食べたい”つか“毎日アレがいい”と思う。

「あー、この間、ZFC通信を読んだときから使ってみたかった言葉あったんだ。」

ん?

「それを使えそう。ぴったり。」

なに?

「くれさん、上田効果ばっちり出てますね!!」

なーーーーーーっ!?!?
一番、伝染ってるのは、私か……花粉並みの、飛散力。影響力。
いないのに、こんな生命力落ちてるってのになんなんだ、この存在感……

…………うぜぇ…………

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SWAT! 寺本さん! 打撃も迫力でした。

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第1試合、有川さん。パリピな感じが大爆発。

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第2試合、川村さんイメチェンだなー。風邪を直前にお召しになってたとか? 回復間に合って本当によかった。

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第4試合、金井塚さんと平田さん。やはり金井塚さんの身体に目が行く。しなやか。

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第5試合。田村さんとユンさん。フライ級はこれからどうなるのかなぁ……勢力図がよくわからなくなってきた。

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チャンピオンたちの後ろ姿ー(*☻-☻*) 盛一郎さんもだし、剛さんが一段と大きくなられたような。まだまだお若いものなぁ。ほんとこれからが楽しみ。

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 第6試合、坂巻さんの入場。竿本さんがペンライトもってらしたのです(・m・*)

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第6試合、坂巻さんと松下さん。つくづく自分の撮影技術のなさに絶望する(´・ω・`)

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 第7試合、高橋さんと小金さん。これは迫力あった……

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竿本さんのマイク。次の試合も、要チェックだ。

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メインイベント、平さんとマックスさん。迫力あるポジジョンの取り合いとパウンドを撮ろうとしたら、その前のおふたりのお背中の方が迫力がありすぎた。

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早く戻られますように。

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強くなる。

盛一郎さんのrvvdwのTシャツを着て行き、盛一郎さんのRIZIN手形Tシャツに着替えてトレーニング。ご本人に見せびらかしてきた(・∀・)

17.05.05(金・祝)【GROUNDSLAM】MMA(初級):盛一郎さん
あまりに久しぶりすぎて笑われる。ようやく「おめでとうございました!!」が言えた。なんか盛一郎さん、デカくなったなぁ……逆三角形が一段と迫力ある。
ああ、久しぶりにお会いする先輩もいらっしゃる。女性も。ありがたい。

シャドウから。まだまだ下半身が重いな。それでも前よりは安定はしてきた。少しずつ。
ミット打ち。女性な方と組む。まだ間合いが安定して同じ距離に取れない。が、前よりは適切な距離で打てるのが増えてきた印象。もっと素早く打ちたいものだが。
お相手の方は鋭かった。ところどころ持つのが拙くて申し訳ない……
打撃技術練習はカウンター。最初に特に教わらずに打ったのと、盛一郎さんの指導を受けて打ったのだと、まったく違う。指導前は相手の方が打つカウンターを多少は防御できたのに、指導後はわかってても食らう。すげーな…… パターン作って覚えてなじませるのが大切なのだろうな。会得できた気がまったくしない……覚え悪いな……。
スパー。女性な方からもだいぶいいの食らってしまった。拙い。
盛一郎さんが相手してくださった。先輩な方がアドバイスを飛ばしてくださる。聞きつつ頑張ってみたが、足らん…… 終盤は呼吸がだいぶ止まってたようで一気にへばった。手数を出すこと、上体を動かす、足を動かすこと……だよな。最後まで止まらずに手数を出したことだけは合格点……かなぁ。
大きくて優しい先輩。久しぶりだ。嬉しい。相変わらずパンチのグローブだけがにゅぅっと接近してくる。すっげーなぁ。いろいろと面白い動きをされて反応するので精一杯。反応もしきれなかったな。よい勉強、よい経験。
また盛一郎さんが相手してくださる。その後、追加でいただいた先輩のアドバイスを思い出しつつやってみるが、やはりまだまだだった。終わった後に盛一郎さんにも言われたのが

「ずっと自分の間合いだったので何を打っても当たります。」

で。前後や左右にもっと動かねばだった。動いたつもりだったのに動けてない。
あと、得意パンチがあって、無意識にそれを使いまくる。最初の対人練習の際に、

「それ、いいですね!」

と盛一郎さんに言っていただいたが、スパーになると裏目に出る。フェイントに使ったり、次のコンビネーションに繋げられれば、武器になるのだが。よい武器なのに、使いこなせない状態、か……。
ミット打ちなら、ようやく多少間合いがつかめるようになったのだ。ほんと、スパーだよなぁ。足が動けない。コンビネーションが2発、行っても3発で終わる。
シャドウやミット打ちで出来ることを、スパーで出来るようになりたい。
必要なことはもう、これまでで教わってるんだよな。足らないのは頭の使い方と練習だな。せっかくすごい方々に教えていただいてるのに、もったいない。なんとかしたい。

続けて今日の技術練習はレスリング。脇の差し合いから、サイドを取り、テイクダウン。

「くれさん、やったことないです?」

と早速言われる……実はあんまり……イタいなぁ……。
丁寧に教えていただくも、不慣れすぎてなかなかうまくいかない。ほんっとに、レスリング練習が足らんなぁ……これこそ数をこなすしかないのだが。こっちもあっちも、本来はレスリング強いジムなのにな……これは恥ずかしいヤツだな orz

〆は補強で筋トレ。途中で手を叩くのを入れる腕立ては膝つきOK出されてそれで。ふつうに出来るようになりたいな……。V字腹筋も苦手だ。バランスがうまく取れない。身体がまだまだだなぁ……
あ、でもこの年齡で初めて腕立てが出来るようになったのはデカい。元が残念なのにここまで頑張ってくれたのだ。自分の身体には感謝しなくちゃな。この身体をくれた、両親、ご先祖様にも。

カポエイラやったら速攻で筋肉痛になった。が、MMAクラスだとなんの問題もない。たぶん明日になっても筋肉痛はならないだろう。自分のしてる練習に特化した身体になってるんだろな。もっと汎用性のある身体にしたい。もっともっと、強く、しなやかにしたい。

格闘技は、よいな。出逢えてよかった。

着替えるために2階に戻り、貼られた張り紙が増えたことに気づく。覚えきれないがひとつひとつ目を通した。
変化してる。どんどんバージョンアップしている。
あれだけがきっかけではないだろう。それでもまったく無関係でもあるまい。
どんなに痛かったことも、糧にできる。無駄なことなんて何ひとつないんだな。そうして、くださったんだな……ま、もちろんそれだけじゃないだろうけど。
私も、私なりのペースで。

改めて思った。
“強くなりたい”って言葉は、ぬるいな。
“強くなる”、だ。

“強くなる”って言葉を使いたいと切望するくらいまでには、強くなれた。
見守り育んでくださった方々に感謝だ。ここまでたどり着いてくれた自分にも。
もっと、出来ることを増やす。

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……人にいいように使われて、終わるんだよ……。

ここまで未消化なことは、これまでなかった。

17.04.29(土)【GSA】MMAグループトレーニング部(格闘技1.0h):上田さん
今日はT氏といつもの方が参加。お題はT氏から。

「栄養の話の続きを。」

1時間、座学で使い切った。

まぁ、凄かった、な……。
座学は上田さんの解説から入る。
主にT氏に対して質問をし、その回答から話が広がる。いつもの方にも振られたり入ったり。
私は単純な知識としては、復習にあたることばかりで新しいことはなかった。
のだが、途中から、T氏の反応に驚愕した。次から次に……
それを受け、上田さんが相当にエグいことを言うのだが……

「現在のTさんは、経済的に例えると“借金4000万円”を抱えている状態です。」

T氏が思わず笑う。
上田さんが私を見る。

「久禮さんが笑ってませんね。”それで済むのか?”と思っているのでしょう。」

そう……ですね……
言われてようやく、笑えてない自分に気づいた。

考えてたのは……そう、借金だけならおそらく4000万円レベル。
だが内訳が……年収に例えるなら、T氏は本来1000万~2000万くらいの能力なのに、200万のブラック企業に勤めていることに気づいてなく、かつ、この1年で借金を2000万くらい増やしたような……
経済的に例えるなら、完全に破たんしている状態だ……

本当に経済ならば、まだいいのだ。
労働基準監督署もある、自己破産なんて手だってある。でも栄養、心身の健康、さらにその先の能力までいくと数値で簡単には測りきれない。いやむしろ、”そこに尺度がある”ことを、どれだけの人が知ってるのだろう? 少なくとも3年前の私は、知らなかった。最近は漠然と感じていはいたが、今日、目の当たりにしてようやく明示的に知った。

可視化できないものは、”知っている人”しか……

ゾッとする。鳥肌が立つ。
“知らない人”も怖ければ”知り尽くして使い抜いている人”はもっと怖い。
T氏の能力年収と実際の年収の差額の800~1800万。その差額はどこへ消えた……?

初めて明示的に知った、この”尺度”が怖すぎて仕方ない。
いろんな複合要素があり、おそらく私が見たこともない演算が入ってる。

“栄養・食事”、”身体を動かす機能”、”考える力”、”闘う力”、”想像力”、”知能指数的な頭のよさ”……etc, etc
それらを複雑に絡み合わせて導き出されるその尺度。

この尺度に名前を付けるとするならば。
上田さんの〆の言葉に倣うべきだろう。

「すべては、しあわせになるためにやるんです。」

つまりこの尺度は、”しあわせになる能力”。

私が最後にT氏に向けて言った言葉。

「私なんかよりよほど、知能指数的には高くて頭がいいのに、何かが……想像力が猛烈に欠けて迷走してる……
知能指数が高いのに、想像力が欠けていると、どうなるかっていうと……」

その先の言葉は、私自身にブーメランになって返って、突き刺さってえぐられた。
とても、とても、苦い言葉だった。

1日置いて、少し消化した。わかった。
T氏はほっといても大丈夫。自分で自分の何かをつかむ。
私のほうがマズい。

未来はとても明るくもあるのだが。
一番ヒドいときだと7~8年前か。私は今のT氏より目も当てられないほど、ヒドかった。例えて言うならブラック企業に勤めることすらできず、ニートする実家すらない年収計測不能の無能力者、かつ、負債ももっとデカい状態。8000万くらいかな?
そこから5年で格闘技ジムの扉を叩けるくらいに復活……おそらく年収100万程度、そこから2年で超急激に巻き返し、上田さんの見立てによると年収600~1000万くらいまでいっている。順調にいけば、なお上がる。負債もだいぶ減らせていてコントロールできている感覚がある。2000万くらいまでは減らせたんじゃないかなぁ。
つまり経済よりも、この尺度のほうが短期間での一発逆転が相当、可能だ。
ちょっとしたきっかけを、確実につかみさえすれば。

『これが最初で最後の機会です。』

上田さんの言葉、頷く。目の前にある、これをつかめばいいのだし、もしつかまなかったら……つかまないほうがいい理由があるのだろう。いたしかたない。もしくはいつか、またつかみに来る時が来るかもしれない。そんな選択肢があるってことさえ知ってれば、大きいだろな。
少なくとも、こんな果実の存在を知ることができた。
それは、果てしなく大きい。

上田さんの今回の座学。インストラクターさんとしての手腕で驚愕したのは、1回の講義で、参加者三者三様にそれぞれに必要な”しあわせになる能力”を、提示して見せたことだ。
T氏は直接的な栄養指導として。本来の能力に見合った年収を手に入れる可能性を価値として。
いつもの方にも目の前のやりとりから派生して補足説明を入れることで、ステージにあった価値を。
私は……目がくらむ orz 一番、収穫も課題もデカい。今日、目にしたこと、教えていただいたことの価値は今後の私自身がつけるのだろう。金額にすれば、0円~∞ だ。
今回の座学、あの価格では到底及ばない、恐ろしいほどの価値のものを提供いただいた。

「久禮さんにはこれを、見ていただきたかったんです。」

最後にそう言われた。何とも言えない目で。そして補足説明を。

今回の座学で、私は上田さんから直接何かを言われることはなかった。

「久禮さんが笑ってないですね。」

と何度かときどき触れられたのみ。いろいろすべて、意図を感じる。

今日、Sさんの体験とT氏の座学。同じ日だったことがまた。偶然だったのに必然としか感じられない。
一番くっきりとした、対比。
このところいろんな方の見学をし、今日、このふたりを見たからこそ目がくらむ。数パターンを見聞きしたから、理解できた。
私が何をどう対比し、どう驚愕したのか。
うまく言葉にならない。上田さんも表現しきれる言葉を見つけられていなかった。

だが、わかる。納得だ。
到底、消化しきれていないけど、これまでほんとの意味で理解できてなかった上田さんの言葉がいくつか、少し理解できた気がする。
それでも鵜呑みにはしたくないから、これからも疑ってかかって自分の心身で試して考えるけど。

試してたはずなのだがな。
気づけば感覚が、上田さんにとても近くなってることを知った。

私は自分を、味を大切にする、こだわる人間だと思ってたのだ。
でも今日の、来る途中のコンビニで買ったプロテインドリンクをめぐるSさんとのやり取り。

「いつの間にか買ってる! いつの間に?」

え、買うって決めてたから……場所も覚えてますからね、よく買うので。

「それ、何味? おいしいんです?」

え……っと何味だっけ……飲めますよ。おいしいです。けど……スポーツドリンク味? あ、違うや。
ええぃ! いーんです、このドリンクの優れたところは100kcalで15gなところですよ!!
しかも500mlあって蓋もできるから、自分のペースで飲める。飲み終わったら捨てて終わりでお手軽!!
これが何よりおいしーんです!! これに勝る優れたところはないんです!

他にも……Sさんのあの言葉。

「鶏のササミかぁ。調理と味付けに悩むんですよね。」

えっ……調理法、味付けなんて考えたことなかった……そうか、そこは悩むポイントなのか。と、愕然。
私はレンチンしてスープに投入が基本で、レンチンしただけでもイケる。それが一番おいしい……
や、Sさんはお母さんなんだから調理法、大事です。

……が……あれ、私、味を重視する人間のはずなのに、上田さんとまったく同じこと言うようになってる……
そういえば、友人たちは皆、プロテインがなかなか口に合わないようだった。私はおいしいと飲んでいる。が、蛋白質補給が目的でなければおいしいとは思わない、な……
私の舌は相当、バカらしいと思ってたけど。

T氏の話を聞いてても、上田さんのリアクションと私のリアクション、言葉が重なることが多かった。
私は、あの方向性に突き抜けて、あの域に達するのは厳しいだろう……と思ってたのに、気付けば感覚は近い方向性なの、か…… まだ行動が追い付ききれてないけど、出てくる行動も近くなってる……。

なんか驚愕だ。あれ、私こんな人間だったっけ?

…………。
上田さんは、あんな目をするほどに、こんな表現ができるようになるまでに、どれだけのケースを、見て、何か出来ないかと試してきたのかなぁ……そしてどれだけ……

私は果実をもらって、相当、楽をさせてもらってる。

17.04.29(土)【GSA】初心者MMA:上田さん
運動です。頭使った後は、運動ですよ。
今日は人数多め。久々の方もいるな!

打撃技術は前回のストレートをおさらい&フック。
ミット打ちでT氏と組んだら「なるほど。うまい、のってる。」言われた。よし。
1分間の連打もまぁまぁ。早く身体、戻さなきゃな。1分間持ち続けるのが疲れる。まだまだ腕は鍛えたいな。

対人練習は技術練習をめっちゃ意識したというか、冒頭はそれしか使わなかった。使っても使っても、馴染みが足らない。常に同じパンチを打つって、まだまだものすごく難しい。
なりたい自分はとても遠いな。……ああやっぱ理想の自分はあるな。

寝技の技術練習は、腕十字の対処。本当にこの方の寝技は、よい。見てると嬉しくなって顔がほころぶ。
練習量が絶望的に、足らんなぁ……自分で選んでることだからよいのだけど。
いろいろやりたいことが多い。環境作り、身体作りからだな。

痛めた足は全回復まではまだ至らず。でもだいぶ良い。
ケアを出来る範囲で真面目にやったら、むくみが少し軽減した印象。やはり代謝って意味では同じなのかもなー……私の身体にとっては。

うん……いろいろと、消化中だ。格闘技は、おもしろいなぁ……いろんな側面から、世界を見られる。

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美しい目に映る”初めての格闘技ジム”

青空の下でこの笑顔は眩しい。

17.04.29(土)【GSA】加圧トレーニング:上田さん
今日は、この間送別会をしたSさんが体験で遊びに来てくれた。先にいつもの頂マーラータンさんで腹ごしらえ。
ミョウガ、春菊、パクチー、味玉、鶏モモ。
安定の美味しさ。Sさんも

「新大久保以外にもお店あるんですか!?」

と言うくらい気に入ってくれたよう。嬉しい。
ええのう……休みの日にこの笑顔を拝めるのは(´ω`*)

改めてお話してると、なるほどこういう方か、と感じる。
またなんかたくさん褒められちゃって照れてると

「感想ですよ?」

と釘を刺され……
私に向けて言ってもらう言葉が、そのままSさん自身の人となりだと感じる。
たぶんSさん自身が正義感が強く、たくさん感じて考える方なのだろう。

「くれさんはどうなりたいんですか?」
「”もっと上へ”ってどういうことですか?」

深い質問をもらって思わず顔が緩む。ぜんぶ丁寧に耳を傾けて、咀嚼して、新たな質問を投げてくれる。嬉しいな、こういうの。
私もこんなふうにきっと質問してて、……似てるのだろうなぁ。本質を知りたくて質問が尽きなくて、自分で考える力があって、吸収力があって素直にストレートに受け止めて……
投影の仕合い具合が面白くて面映ゆい。投影し合って、好ましく思えて楽しいって、なんか……これはしあわせな関係だな。

Sさんの会社入ったころの話を改めて聞く。

「私、これでもだいぶ丸くなったんですよー」

の言葉とエピソードに目を丸くする。Sさんとあの方がそんなでした? 今からは想像つかない……
あっちの方は今も昔も変わりませんね。”非常時の人”だ。可笑しい。

そして改めて不思議になる。
Sさんは加圧が必要そうには見えないですけどね?
お話してるとその思いが濃くなる。姿形に気を付けてる在り様が見て取れるけれど……

「血流が悪いのがわかるんです。」
「骨盤底筋が……」

めっちゃ身体に敏感ですね! そんな言葉が出てくるって。

「小さいころ、水泳やってて全国大会出るレベルだったんです。」

だからか。どこか体育会系を好む印象を受けるのは。

「でも、”なりたい自分”がうまく言葉にならないんですよ。」

の困り顔。困り顔もええ……(´ω`*)

しかし、そんな難しく考える必要ないのですけどね。体験で来る方が皆、『大丈夫かな?』と不安がる。私のFacebookで上田さんってどういう人物像に見えるのだろう……

GSAに着く。
緊張することないですよーと言うと、

「生まれて初めて格闘技ジムに入った……!」

と目をキラキラされる。
うわーーーとキョロキョロする。
これは……うん。初期の私を見るようだ(*ノωノ)

「くれさん、会社にいるときと全然違う。イキイキしてますね!」

初期だけでもないらしい(*ノωノ)
そんなに顔、違うのかなぁ。今でも? まだ何もしてないのだが。

少し早く着いたので、殴ってみます?とお誘い。ミットを持つ。
持つのも楽しい、Sさんの顔がちょーキラキラする(●´ω`●)
この歳で初めての体験が出来るのって嬉しいですよね。わかります。
そしてサンドバッグも初殴り&初蹴り。

「硬い……!」

と目を丸くする。なのですよね-。
こうして“初めての体験”にお供させてもらうのは楽しくてよい。初心に返る。

上田さんがいらっしゃる。
ご挨拶前の軽めの雑談で、早くもSさんの質問がレベル高い。

「鉄分の摂取が気になってて……」

からの上田さんの明確なアドバイス。すげー。話がキッチリ噛み合ってる。質問と回答のラリーが続く。これは、聞いてて面白い……
Sさん……パーソナルトレーナーの使い方がうまい……

「時間が押しちゃうので、改めて始めましょうか。」

の言葉に笑う。挨拶前からほんとにディープなやり取りだった。
問診後、トレーニング開始。
血流を抑えてトレーニングする感覚が違和感あるようで終わったあとに手をひらひらさせる姿が絶妙に可愛らしい(●´ω`●)
そしてトレーニング中も花咲く雑談。

「鶏のササミかぁ。調理と味付けに悩むんですよね。」

「調理なんて一択ですよ。味なんてつけません、素材の味で充分です。」

「えっ。飽きませんか?」

「えっ。だって、会社でする仕事、飽きますか? そういう問題じゃないですよね? それと一緒です。」

「あ、そっかぁ。なるほど。」

思わず笑う。そこでなるほどって言っちゃえるんですね。Sさんだなぁ。
上田さんがニヤリと笑う。

「え、だって、上田さんの言うこと凄く説得力がある。」

真に受け過ぎちゃダメですよ。そのうちツボを売りつけられないように注意してくださいね。

「最終的にはハンコを買って頂きます。」

「くれさん! ツボ売りつけられそうになったら助けてください!!」

もちろんです!

と力強く請け負いつつ……

“買っちゃいそうな自覚があるのね”
“売りつけそうな人だと思うのね”
“わかってるのに、継続しちゃうのね”
“Sさんなら『ちょうど欲しかったの!』って床の間に飾りそうだ……”
“そういやポジティブモンスターTシャツ3枚持ってる私に助けを求める時点で人選間違ってないか……”
“そもそも連れてきたの私やん、疑わなくてええんか?”

と0.1秒で様々なことが脳内を駆け巡る。

なるほど。
私ならやりくちは熟知している分、他の人のことなら止められるかもしれない。経験を活かして、がんばろう。

Sさんの実に美しいスクワットを眺めつつ心に決める。S家の平穏を、守らねば。

体験終了ー。Sさんはとても楽しんでくださったようでそのまま次回以降の予約もされていった。すげー。過去1番の反応。春雨食べてたときからそんな予感がしてたけど。

ふと時計を見たSさんが首をすくめる。

「すみません、時間が延びちゃった……くれさんの時間が。」

「ああ、いいんです、この人は。雑談の時間を削ればいいんで。」

ひでぇ。扱いが雑にもほどがある。それ、私が言うヤツですよね?
せめて“インターバル”言いましょーか、“インターバル”。

「え、でも上田さんの雑談はためになって面白い……」

「この人の時間の雑談はほんとしょーもない話ばっかなんで。」

ほんとにひでぇ。改めて言っちゃいますかソレ?
Sさんのせっかくのフォローを全力で潰しましたね?

「この人は話したことぜんぶ吸収しちゃうんでくだらない話を入れておかないとパンクします。」

なるほど。
……いや、一理あるが……それは”くだらない話を吸収してパンクする”危険性をはらんでいるのでは……
まぁでもそういうことか。真面目な話をし損なうのはそういうタイプの人の場合ですか。

急いでおうちに戻られるSさんを見送って、私のトレーニング開始。
雑談ネタはちょうどホットな竿本さんのインタビューのお話! よかったですねぇ、あれは。にゃんこさんも可愛らしく。思わず停止して巻き戻して、を繰り返しちゃいました。

「四段って言われると、あんな感じじゃないですか?
“後手、上田貴央四段、五六歩”」

将棋棋士ですやん……!
ゲームルール変わっとる……!!

「上田貴央四段、王手。」

なんで無駄に読み上げる女性声の物まねクオリティ高いんすか!!!

「四段ってよくないです? なんかしそうでしょ!?」

そーゆーのをトレーニング中に混ぜ込む……っ orz
そーですね、最近大活躍中の史上最年少棋士の方はちょうど四段……そう考えると年齢逆転してますが……や……前から思ってたんですが、おふたり並ぶとどうも上田さんのが年下に見えてしm
ああまづいふくっ!! ぜひ棋士の方に倣って、なんかしてきてくださいっ!!
あああ゛ーー……死ぬかと思った……orz

結局、時間削ってもネタがホットなヤツでも、しょーもない雑談に、なるのですね。

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