人が”何かを始めない”のは? / 既にゲームは。

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さて、どう話したもんかな?と思案しながら、肉を食べに行く。

17.04.24(月)ランチ:T氏
T氏は部活で上田さんから栄養指導を受け、1週間の食事の記録を取った。そして全食事の写真を、部のグループページに投稿した。
その際のT氏と上田さんのやり取りが気になっていた。この間の土曜は出られなかったT氏。今後の宿題をどうするのかな?と思って見てたが、その話が出ない。私がその話に触れたら、上田さんとT氏のコメントのやり取りが途切れた。
思い当たる節はある……と考えつつ、Tセンパイの加圧体験を見学し、やっぱそういうことだよな……と認識を深める。
肉が焼き上がってくるのを待ちながら、とりあえずT氏に聞いてみる。

T氏は1週間、記録を取ったわけだけど、その後、どうしてる? 記録を取り続けてる? これからどうしたいとか、ある?

「あー、週末から何も記録も取ってないねぇ。」

やはりか。と、納得する。そういうことだよな。

先週の金曜日。T氏が珍しく私の席にやってきて食事の記録をチラ見させてくれて爆笑した。

『くれ氏なら笑うと思って。』

の言葉に大いに頷く。これは……すごいね…… なるほどこの食事の蓄積が、その身体になるわけだ。妙に納得した。
笑うしかないのだが、同時に引く。私ならこの食事は耐えられない。ドン引きする。
でもT氏は、こうして改めてその食生活を目の当たりにしても本当には”マズいと思えてない”し、”変わりたいと願えない”わけだよな……。

加圧トレーニング。T嬢は継続してるし、Tセンパイも要相談ながらも継続はするはず。途上で上手くいかない箇所は自ら上田さんに質問して解決していくだろう。
でもT氏はそうならない。

本気度が、掛けてるコストに出るんだよな。
T嬢、Tセンパイは毎週4000円近くを払い、時間を捻出し、約束をして上田さんのもとへ通う。約束を違える際は、連絡をして謝らねばならない。それだけの価値を見出し本気で取り組んでいる。
T氏はGSA会員ではあるものの部活で払ってるコストは少額で、心理的負担もほとんどなく休むことができる。ジムも部活も参加は義務ではない。
この現状は、私がT氏にお節介やいてて甘いからでもあり、これがテストケースだからでもあり。

だが私としてもこれはダメだな、と思う。
上田さんのあの貴重な教え。
『世の中には頭のおかしな人間がいます。僕のように。』
『命がけで断崖絶壁を降りてその向こうにある果実を獲ってきちゃうんですよ。』
『それをただ受け取って、使えばいいんです。僕をトレーナーとして雇用するのは、そういうことです。』
上田さんのあの栄養の話、命がけで獲ってきたあの果実は、本気で雇用してない人に教えていい話じゃない。そんなん、あの価値を一部に過ぎないとはいえ、身を持って知る私自身が許せない……かといって、T氏が悪いわけでもない。
上田さんが、それでも教えてくださったのは、私とT氏に機会をくださったから、そしてこのあとどうするかを見たいからなんじゃないかな。

んで。コレが欲しくて、私が、対価を払ってたんだよなぁ。
いきなり加圧トレーニングやると決意して毎週4000円近くを払うのは、重い。私を通して上田さんを知っていたとしても。さらに初めての人には? 他のトレーナーさんなら?

『人が”何かをやめる”のは、期待通りの結果が得られないから。』

こうも言える。

『人が”何かを始めない”のは、結果として得られるモノの価値がわからないから。』

だよな。

“格闘家の方は身体作りのエキスパートで、とても優れたトレーナーである。”

頷くのだが、上田さんはじめ格闘家でトレーナーの方々が『命がけで獲ってきた果実』の味と価値が、住む世界が違う人たちには『結果』として猛烈にわかりづらい……
なので過去の私やTセンパイみたいな人間がトレーニングを受けにくるのがあり得ない事態すぎて、上田さんから初回で『これが最初で最後の機会です』と言われることになる。
違う世界の住人同士の交流を深めるにはどうすればよいか? どう間口を広げ、私やらTセンパイやら必要な人たちが、見知らぬその果実の存在を知り、手を伸ばそうと思えるようにするか、格闘家でトレーナーの方々の社会的地位を上げ、もっと果実を獲ってきてもらうか……
そう考えたら、まずはもっとハードルを下げて段階を踏めたらいい、と思っていたのだ。
例えば月額800円程度で変わるきっかけをつかめたら?と。
でも単純に単価を下げるだけでは、ムリらしいとT氏を見て理解した。本気度が低いまま果実を目の前にしても、果実をかじってくれないので価値が伝わらない。
ではこれをどう解決するか? 美味しい命題が、湧いてきた。こいつに何かしらの解を導き出すのが、うちらのゲーム作りには必要だと思う。
てわけで、完全ノープランだが、T氏と会話をしてみようと思って、ランチに誘ったわけだ。

「なるほどね。」

T氏はあの食事をあんま変えようと思えてない、のかね?

「そうねぇ……変わらなきゃとは思うよ? でも自分からそこまで動けてないってのは、そういうことだよねぇ。」

だよねぇ。
なんでだろね?

「他の人はどうなの? ダイエットってだけで動けるもの?」

うーん、ダイエットは途中の手段かもね。
私は格闘技やるために筋肉つけて絞りたい、でしょ。
他の子は、可愛い服を着たいから、てのもあるよね。
あと疲れやすいから元気になりたいって人もいる。
それから、家族のため、かな。

「途中の手段ね……」

だからなりたい未来像が描けるか、かもしれないよね。
家族のためってのが一番切実だと思う。
栄養状態がいいとさ、毎日するちょっとした決断がぜんぶ、よりよい最善手が選べるようになるんだよ。場合によっては、これまで選択肢が浮かばなかったところに、選択肢が出てきたりする。
1日だけだと些細な差でも、1年2年、10年20年って積み重なると、大きい。
あのおうちの旦那さんの生涯年収が本当にがらっと変わるんじゃないかな。
まだ見ぬお子さんも、もしかしたら。
T氏は独り身だから今はそういうのないかもしれないけど、これから、さ。

「要するにそれだけ真剣に本気で取り組む人のためのもので、自分みたいな人間のモノじゃないってわけだ。」

違うよ。そんなことない。
そんな小難しいことじゃないんだよ。

「……想い描けないんだよね……」

T氏が漏らしてくれる言葉。
そうだよね、と思う。わかってて言ってる。ごめんよ。
必要だと思うのに、どうしてもがんばれないなら。
がんばれないのには、理由がある。最近、ほんとにそう思うよ。

雑でヒドいこと言うけど。
どうせほっといても、あと30年、40年生きちゃうんだよ、きっと。
だったらさぁ、よりよい暇つぶししたほうが、いいじゃん。1年だか2年だか、本気でなんかやってみてもいいじゃん? 結果が好みじゃなかったら、それで止めればいいんだしさ。それでもまだ、1割も暇つぶしできないんだから。
生きてるんだから、さ。
どう暇つぶしして、どこまでたどりつけるか……見てみるのも一興じゃない?
そしてそれを、お土産話に、さ。

T氏が耳を傾けてくれる。
だんだんと興味を持ってくれ、加圧の話をする。

「え、血管、太くなんの?」

なるなる! んーと……私は代謝機能が残念だからまだ見えづらいけれど、でもやっぱ太くなったよ!
あと本数も増えるって!

「は? 本数?」
「血管って、もって生まれたそのままじゃないの……?」

でっしょぉぉぉーーー?? そう思うよね!?!?
そうじゃないんだって!
私もその話を初めて聞いたときにビックリして、それで興味持って、加圧体験お願いしたんだー。
血管増える分、疲れにくくなって回復が早くなるらしいよ。実際、そんな感じするもん。

「……それ、イイ。」

へ? そこ?

「うん。俺さぁ、血液検査のとき、断られるのよ。血管細くて。」

はぁ……

「太くなりたい。」

そこ?

「マニアックな理由だと思うけど。」

いや、いいと思う。私も”血管増える”が一番最初に惹かれた口だから。
人それぞれだよね。
一度、上田さんの加圧体験受けてみようよ。他にもいろいろ効果あるし、どんな結果が期待できるか、直接聞いた方がいいよ。

T氏がそうする、と言ってくれた。

なんかいろいろ、判った気がする。
いいんだ、これで。

やはりあのトレーニングは既に現状が最低価格だな。むしろ今後、もっと上がっていって然るべき。
うちらの作るゲームがやるべきこと、わかった気がする。
それぞれの”がんばりたいのにがんばれない理由”にフォーカスして寄り添うことだ。そしてあのコストを払えるだけの状態になるまで見守る。続くよう応援する。
千差万別で、人それぞれで、繊細で……すげー手間暇かかるけど、どうしようもなく、大切なことだ。

がんばれないのには、理由がある。

それをなんとかしないと、がんばれないのだな。変わりたいって願えないのだな。
人間、元気でないと変わりたいって願えないんだよ。変わるにも準備がいるんだ。
まぁ別に変わらなくてもいいんだけどさ。でも……人間の特権だと思うんだよ。
“もっとよりよくなりたい”
“もっとしあわせになりたい”
って願って、行動を起こすのは。

上田さんに体験の予約をお願いしたらすぐに『バキバキにしましょう!』とお返事をいただいて、それは楽しみだな、と笑った。
筋肉だけは裏切らない。
私も最近、そんな気がする。
T氏がどんな変化を遂げていくのか。楽しみだ。

ねぇねぇ、Facebookでネタにしていい?

「へぃへぃ。お好きにどーぞ。」

ありがとー!

最近、書くことで広がりを感じる……
読んでくださって、感想くださったり、やってみたいと言っていただいたり……

ピラティスな方がTセンパイのためにと、すごく真剣に有益なアドバイスをくださった。

リバウンドしないための取り組み方のコツ。
みんなで楽しむこと。
なぜ楽しむことがよいのか?
垂涎すぎて電車の中で目がハートマークになった。こういう世界があるのね!!
そのままTセンパイ、T嬢にピラティスな方からアドバイスいただいた!と伝える。みんなのモチベーションが上がる。
そう、ムリせず、楽しもう……
しかしピラティスな方……アドバイスと知識を、Tセンパイに直接じゃなく、私にくださるのね。
『Tセンパイを、よろしく』
その言葉は幾度か聞いた。
その意味するところは……ひとりでがんばるのはつまらないから……その応援をする人として、私に某かの期待、もしくは面白みを見出してくださっている……? いただいたタネを、どう使うか……
これを広げる……
そうね……上田さんやピラティスな方だと、本職過ぎてガチすぎる。がんばれない人を理解しづらいだろうし、あの方々の持つ果実は威力が強すぎて対価なしに放っちゃいけないモノばかり。
その点、私は程よい中間地点にいる。

そうか。
ピースの凸凹がカチリとハマる。
私が好きで、得意な分野か。”感情”と”意識”を見守り、メンテナンスすることは。
身体を機能的に動かすための重要な因子のひとつ。
ミクロでもマクロでも、システムを安定稼働させるための、大事なパーツ。
私が担うのは、担ってるのは、それか。

ふと不思議な感覚に陥る。
既に私はもう、ゲームを作りながら遊んでるんじゃないか……?
この一連の感覚こそが私が欲しかったものだ。
自分の予想を超えて広がって、何かが動いて、変わりたいと願う人が最善な方法で楽しみながら変わって……関わりあい。さらに輪が広がり。
それを見てくれる人がいて。応援してくれて混ざってくれて。
新しく何かを勝ち取る。自分に出来ることを再発見する、この喜び。
これこそが。
私のやりたい、テーブルトークRPG。テーブルの上、脳内の妄想を超えて現実世界に広がる。めっちゃリアルなソーシャルゲーム。
私視点で文章を紡いでいるからGMが私に見えるけど、関わってくださる方、読んでくださる方、ひとりひとりがみんなGM。だって読んだら必ず、何かしらの影響を受けるから。世界を見る目に、レイヤーが1枚、重なるから。知らぬところで読んでいただいて感想もらって感動した。私の脳みそを超えて、世界が広がってる。
書くのは私でも、読まれたときに何が起きるか……それはもう、私の手の及ぶことじゃないんだな。
それぞれのストーリーがある。幾重にも重なり、オーロラのような深みのある色合いを醸し出す。
やべー……おもしろく、なってきた……。

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