-結- 見たいのは、見せたいのは、”怖い”の向こう側

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「くれさんは、怖くないの?」

■17.06.25(土)【浦安】お茶:T嬢

ふむ?

「私はさ、笑われるのが怖いんだよね。恥ずかしい、って。失敗したらどうしよう、笑われるって。」

うん。

「幼いころにこんなことがあって。」

それは”人に笑われる恥ずかしさ”を覚えた、原体験の記憶。

「あとそういえば……」

もう少し年齢が行き、多感な頃。
“恥ずかしさ”と”外見”が結びついたときの記憶。

なるほど。

嬉しいものだな。そんな話を聞かせてくれるとは。
うん……

まず、このままいけば、外見はクリアできるね。トレーニングと食事改善で。

「そうだね。できると思う。」

まずはそれが一番最初で。でも理想は、その先。
外見がどうあろうが、なんだろうが、”恥ずかしさ”を超えられたら、理想だね。

「うん、そう思う。」

それには、成功体験を積み上げて自信を築くこと。
それから、”変わりたい”自分と”変わりたくない”自分のせめぎあいを把握してコントロールすることが必要、だよね?

「うんうん。」

で、そこまでは一緒なんだけどさ、私とTさんとで大きく違うところがある。

「え、なにー……?」

トレーニングをする、理由だね。
Tさんは、”可愛い服を着たいから”でしょ?
私の場合は、”闘える人間になりたいから”なんだよね。
無理ないんだよ。私が出ようとして、Tさんが尻込みするのは。

「……?」

順を追って行こうか。

最初の質問。”くれさんは怖くないの?”って。
こわいよー! めっちゃこわい!! あはははは!

「そうなんだ!? くれさんも怖いんだ!?」

こわいこわい! どーしよっかなって思うもん。ほんとにやるんだ?って。やるんだけどさ。

でもなんでやるか? やれるのか?
それぞれに理由がある。

「うん。」

やれる理由は、負け方を計算してるからだね。

“これで失敗したときに、どんなパターンが考えられる?”
“そのために打てる手立てはある?”
“一番サイアクでどんな状況に陥る?”
“それに耐えられる?”

って考えてる。
システム屋さんって臆病なんだよ。怖がりじゃないと出来ないの。

「そっか、トラブルの対応が出来ないからだ。」

そう! いろーんな最悪のパターンを考えて、打てる手を打って、打つだけ打って最悪パターンもしのげるな、って確証持てたら、開き直る。
これが出来ないと務まらないね。

ユニクロのエラい社長さんの出した本のタイトル、知ってる?
『一勝九敗』って言うんだよ。勝率1割だね。

「えええ。」

有名な建築家さんの本だと『連戦連敗』。合わせると1割以下だねぇ。
要するにさ、負けて当たり前なの。如何に次につながる負け方をするか、次も勝負できる形に持ち込むか。
大切なのはそこ。

負けても何も終わらないんだ。
まだ続くの。死ぬまで終わってくれないの。
だったら怖いのは、勝負に出られなくなること。
勝つ方法を考えながら出続ければ、いつかは勝てるから。
勝つことも負けることもしなかったら、生きてたって死んでるのと同じ。というか、いずれ、詰んじゃうね。

「うん……」

でね、そうは言ってもT嬢には私よりハードル高いんだよ。
これがトレーニングをする理由に現れてる。

Tさんは、”可愛い服を着たいから”でしょ?
私の場合は、”闘える人間になりたいから”なんだよね。

私が怖いのに、やる理由。それはね、”勝負に出続ける”あの格闘家の方たちが憧れで、少しでも近づきたくてしょうがないからなんだ。
人前で負けるのなんてどう考えたってこわいでしょ。なのに出ていくんだよね、あの方々は。負けたら全部背負って”ごめんなさい”って言っちゃうんだよ。なにひとつ謝ることなんてないのにね。それでまた、試合に向かっていく……
あれがカッコよくてたまらないんだ。憧れる。

私はあれができるようになりたいの。
だから怖いけど、やけくそでも玉砕でもなく、勝ちにいけるように。負けからほんの1ミリでいいから遠ざかって。
勝算をきっちり上げて、勝負に出られる人間になりたいの。

Tさんは、”可愛い服を着たい”人だからね。
人からどう見られるかをとても気にする。それは当たり前。
そして”可愛く”見られたいわけだから……なおのこと、怖いことに立ち向かう理由がないよね。

でも、Tさんが闘う人なのは、知ってる。
そうじゃなきゃ、”変わりたい”自分と”変わりたくない”自分のせめぎあいを制して、そこまで変わることは、出来ないから。

だから、見ててよ。
Tさんとそう変わらない、こんな私でも、勝負に出られるんだ、行動するのは恥ずかしくないって。
証明してくるから。見せるよ。
行動するのが怖くない、恥ずかしくないって、少しでも思えるように。Tさんの背中を押す、力になるように。
だから、見ててよ。私の背中。

「うん! 見てる。」

綺麗な、可愛い、満面の笑顔。

私は、知ってる。
人に笑われることを恐れ、恥ずかしいと怖がる彼女は、絶対に私を嘲笑ったりしないって。
荒れたときも、あらゆる人から眉をひそめられたときも、醜態さらして涙も鼻水も垂れ流したときも。
どんなときも彼女は

”ウケるーー”

と言ったり言わなかったりしながらケタケタ笑い、凹む私を受け止めつつ笑い飛ばしてくれた。そんなのはたいしたことじゃない、って。

あの笑顔に、どれだけ救われたことだろう。
私に勇気をくれたのは、3年半前から、見守ってくれた彼女だ。一緒にトレーニングに行き、興味を示す人たちに勧めてくれた彼女だ。
“面白がってただけだ”ってきっと言うんだろうけど。それにどれだけ救われたことか。

だから今度は私が。彼女に勇気を与えられたら最高だ。
与えるつもりで、きっとまた、私が与えられるのだろうけど。

たったひとりでも、変わらず笑顔で見ていてくれる。応援してくれてる。
その存在がどれだけ勇気になることか。ちょっとだけ、わかった気がする。

向こう側に、行こう。一緒に。

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