愛すべき日常は、続く。

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「くれ姉、粉モノ食べないんだっけ? あ、そう!
でもインフラチームは粉モノ食べ放題って決まってるから。」

だったら聞くなや。
歩く厄災・トラブルメイカーなシステム屋さんからの扱いが雑すぎる。

■17.06.30(金)システム部送別会

Googleマップとにらめっこしつつため息。
店のチョイスに納得がいかない。なぜわざわざ数駅離れた粉モノ屋に行かねばならんのだ。
面倒ごとが起きた相方さんは「後から行きます」だし、システム部はみんな0次会に行っている。
己の道は己で切り開くしかない。がんばれ私。

送別会だが、私は主賓ではない。部署違うし、私はあくまで送る側。

「くれさん、いいところ来た! お好み焼き、焼ける?」

到着するやいなや、入り口近くの一卓、おじさま始めお三方の困った顔に出迎えられる。

はぁ、お好み焼き程度、まぁ人並みに……

「助かった! 焼いて。」

Yes, sir. 喜んで。

久しぶりではあるが、そういえば学生時代はよく友人たちとお好み焼き食べてました。懐かしい。
くるくるふわりと生地をかき混ぜていると、皆さまがほっとした面持ち。
あら、焼いてたのはキノコバターだけですか。待機中のお好み焼きが2皿。ほんとに困ってたんですね。

ただ鉄板に生地を丸く落とす。それだけで何やら見る目が違う。

もしや私。
今、女子力全開です? 入社以来の高評価?

「もちろん!」

システムよりも、粉モノ焼くほうがむいてるかしらね?

焼いていると面白いお話をうかがう。難航しているショップのシステム担当の追加採用。
相方さんの軽いジャブから面白そうな話に発展する気配?

やがて相方さん、T氏もやってきた。来られて本当によかった……!

そして話は続行。相方さんも感触を確かめるつもりが思わぬ好感触で意外? 思わず私が前のめり。展開しないかなぁ、その流れで。
相方さんが今後やりたいことを考えたら、優秀な人は何人いても足らないんじゃないかな。そうなったらいいのに。

そしてどう話が展開したのか、私とT氏で対決してみろ、との話。え? 勝ったらこちらの思惑通り?
そんなん、打撃なしでいいなら階級このままでやりますよ! もう今やりましょう! むしろだんだん勝つのが厳しくなる。やるなら今!!

からの加圧の話。
T氏用の豚キムチやら海鮮やらを焼きつつ話す。

T氏は粉モノ食べなくてエラいねー。私は今日は食べるけどね! 明日の罵倒は覚悟。

「久禮氏が一番、上田さんから容赦ないよね?」

いや、私の知る限りA嬢が一番容赦ないね。”やる気あるんですか!?”言われてるし。

どうやらA嬢の正体が意外だったようでおじさまが目を丸くする。ええ、会社とジムじゃキャラが違いますよ、彼女は。

真面目にやれてるとそんなこと言われないから、T氏は言われないでしょ。

「あ、でもこの間、言われましたよ。
『Tさんはセロテープですね。』って。」

テーブルを囲む面々の頭の上を”?”が躍る。私は笑いを堪える。

「どういうこと?」

「『ちょっとは役に立つ』って。」

爆笑。ほんとヒドい!!
一般的な単語を用いて人を罵倒するあのスキル、天才的すぎる……!

相方さんがはぁッ!?といきり立つ。

「なんでお金払って罵倒されに行くんですか、どMでしょ!?」

や、”お金を払うクライアントだからこそ、耳の痛いことも言ってくれるってヤツで……”と喉から出そうになるが。
次の瞬間に
『いやー罵倒してお金をいただけるなんて。だからこの仕事は辞められませんよねぇ。』
ぐへへ、と笑いながら私のお金をレジ打ちして仕舞う顔が脳裏をよぎり、言葉を飲み込む。
あれは8割は趣味だな。フォロー無理。

と、目を白黒させて考え込んでいた意識を破られる。

「面白い。俺も行く!」

おじさま!?
えええ本気ですか? ”セロテープ”の罵倒がツボってどんなですか!?

「本気本気! 行く。」

マージでーすかぁーーーー!! それはめ………っちゃ!見たい!! よし、調整します!!
面白くなってきた……

ふと気づく。
あれ。やってることがいつもと変わらん。
ショップの今後を気にして。相方さんたちの働きやすさが気になって。
相変わらずの送客マシーンぷりで。
送別感、皆無。

そうね。愛すべき日常は、続く。ただちょっぴり形を変えるだけ。

最終的にいつもとちょっぴり違ったのは。
腕相撲対決をしてRockerさんに勝利、ボスに負けたことくらい?

自然な流れで解散。
挨拶せぬまま、相方さんは消えていった。近しいのに、挨拶できなかった人、させてくれなかった人たちの顔をいくつか思い浮かべる。

帰りの電車でRockerさんと話す。
ライブ、教えてくださいよね。観に行きたいから。

「はい、もちろん!
これで最後なんて微塵も思ってないですから。これからもよろしくお願いしますね。」

そう明言してくれるあなたが今日の最後に別れる人で本当によかった。
手を振り、ホームへの階段に向かったところで、顔が崩壊し、ぐしゃぐしゃになった。

悲しいわけではない。後悔もない。
寂しくは……ちょっぴりあるけど、そこまででもない。

なら、どうしてこんなに、泣けるんだろう。

よくわからない。けど。たったひとつだけ確実なことがある。

あなたたちと出逢えて、仕事が出来て、本当によかった。
しあわせでも、泣けるんだろう。

私は欲張りなのだ。これが今生の別れだなんて許さない。
これからも会ってくれる人はもちろん、もう会えないかもしれない人にも。
どこにいても届くくらいまで、私は花を咲かせ、果実を実らせてみせる。
その果実を実らせたのは、間違いなく私なんだって、そしてあなたでもあるんだ、って。
手にした瞬間、きっとわかるから。
だからまた、逢いましょうね。

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