京大トイレ紀行#1 @京都大学百周年時計台記念館1階

「臭い、汚い、怖い」の頭文字を取って、かつて「3K」と言い表されたトイレ。私が通っていた小学校のトイレが、まさにそうだった。学校でトイレを使用するのが嫌で、トイレに1度も行かないまま放課後を迎えることもあった。これが本来あるべきトイレの姿だろうか。トイレは、人々の生理に関わる非常にデリケートな空間である。だからこそ、むしろ積極的に居心地の良さが追究されるべきなのではないだろうか。この経験を出発点として、私はトイレに強いこだわりを持つようになった。

私が小学校に在学していた時に比べれば、トイレの整備は大幅に進んだといえるだろう。とはいえ、模試の会場になっていた大学や塾のトイレに昔の名残を感じることは度々あったし、反対に、新しく造られたトイレでもデザインされすぎて使いづらい場合があった。様々なトイレに出会っていくうちに、漠然とした印象ではなく、いくつかの明確な軸によってトイレを評価することができるようになってきた。そこで、来たる大学生活において、自分が心地良く使えるトイレを間違いなく選択することができるように、京都大学構内のトイレのアーカイブスを作ろうと思い立った。

以下が現時点でのトイレの評価基準だ。

手始めに、京都大学百周年時計台記念館1階のトイレを紹介する。

手洗い場の完成度は高かったが、個室が非常に狭く、高い満足度は得られなかった。

ピカチュウの目覚まし時計

雑誌小学一年生の付録がピカチュウの目覚まし時計だった。破格の2200円だったので、衝動買いしてしまった。
雑誌の付録なだけあって、前半分と後ろ半分2つの3パーツからなる組み立て式となっている。限られた厚みの中でも、ピカチュウの愛らしいフォルムは健在だ。また、思い切って顔のパーツの重心を下げることで、三次元化につきまとう違和感を回避し、二次元ピカチュウの愛くるしさを巧みに再現している。
ピカチュウの後ろ下半身を取り外さなければ、時計合わせと目覚ましの時刻設定ができないし、電池をセットするためには、ネジをドライバーで緩めなければならない。お世辞にも便利な目覚まし時計とはいえないが、「小学一年生」が扱うことを考えれば安全でよいのだろう。雑誌の付録であることによって受ける機能的制約が、ある意味メリットとなっている稀有な例と言うべきかもしれない。ただ、ピカチュウの額に触れると音声が鳴る機能は、雑誌の付録としてはハイテクすぎる気もする。センサーが露出していなくても、接触を感知することができるものなのだろうか。

Amazon商品ページより

サインペンの一長一短

10月3日から、京都大学教育学部、理学部、医学部人間健康学科の特色入試の出願が始まる。ぎりぎりまで推敲を続けていた者はそろそろ清書しているのではないだろうか。
出願者は各々学びの設計書を準備しなければならないのだが、2000〜3000字を全て手書きするのは骨の折れる作業だ。そこでなるべく書きやすいペンを手に入れたいところだが、受験生は主にシャーペンで筆記しているから、志願書を書くための黒ペン選びには苦戦しているかもしれない。
今日は私がおすすめするサインペンを紹介しようと思う。

まずはサクラクレパスの「SAKURA MICRON PIGMA 04」だ。

次はシャチハタの「Artline ErgoLine 0.4」だ。

どちらも一長一短といったところだ。この両者の長所を合わせ持つサインペンがどこかにあれば教えてほしい。

パズルのすゝめ

後期試験を受け終わり、現在合格発表待ちの受験生も多いだろう。

合否が気になって落ち着かず、勉強にも片付けにも身が入らないという人、春から受験勉強を始めようと思ってはいるもののやる気がでず足踏みしている人に、私はパズルを組み立てることを強くお勧めする。

受験勉強は、様々な物事に喩えられる。よく言われるのは、「受験勉強はマラソン」だろうか。結局のところ、何に打ち込むにしても、望ましいとされる心構えは変わらない。そのため私は、特に意外性もない例えを、巧みな格言であるかのように説かれるのが苦手だった。しかし、前期試験が終わった後、気晴らしにパズルを組んでいるときに、「受験はパズルだ!!」と不覚にも思ってしまった。私はこの小さな発見を得意気に合格体験記にでも書き残そうと思っていたのだが、残念ながら今年度はその機会を失ってしまったので、いかに受験とパズルが似ているか、この場で熱弁しようと思う。

私が取り組んだのは、2000ピースの風景パズルだった。「スーパースモールピース」という世界最小サイズのピースが、パズルの完成を難航させた。裏面にヒントとして縦線や波線が印刷されているが、あまりに単純な柄なので、ピースの小ささと形のバリエーションの乏しさも相まって、誤って組み合わせていても分からない。大抵、同じ色のピースが残りわずかになってはじめて組み方が間違っていたことに気がつくのだった。

画像はamazonレビューより このパズルを組むにはかなりの覚悟が必要だ

受験も同じである。自分がはめてきたピース、つまり積み上げてきた学習が必ずしも正しいとは限らない。現在のやり方に執着しすぎず、時には裏返して組み立てたり、これまで合わせたピースを振り返ってみたり、様々な視点で自分の学習方法を吟味することが大切だ。

そして当たり前だが、自分が取り組まない限り、パズルが完成することはない。受験においても、志望校合格という完成に向かって手を止めないことが肝要だ。反対に、己を信じれば、完成しないパズルはない。志望校を下げるということは、2000ピースのパズルの完成を諦めて300ピースのパズルのパッケージを開封するということだ。

さらに驚くべきことに、パズルに取り組むことによる局所的な肉体の疲労、すなわち首筋のこりと目の疲れは、受験勉強によるものとほぼ同じである。受験勉強をパズルに喩えることで、マラソンでは喩えきることのできなかった、受験勉強の身体的疲労をも伝えることができるのだ。

未知の受験勉強に怯えている人は、パズルで楽しく遊びながら、その精神的・肉体的疲労を体験してみてはどうだろうか。おすすめは、もちろんスーパースモールピースの2000ピースパズルだ。

参考書を買い取ってもらう

浪人生ブログの出だしにはふさわしくないタイトルかも知れない。これから参考書を鬼のように使い込んでいくはずの浪人がどうして参考書を買い取ってもらうのか疑問に思う人もいるだろう。

実は、プリントやノートのため込みすぎ、そして参考書の買いすぎによって、足の踏み場のないほど部屋が散らかっていたのだった。昨日からずっと片付け続け、紙の手提げ4袋分の参考書を放出することに決めた。

これだけたくさんの参考書を持っていけば、大学の試験に合格し、これから新生活を送ろうとしている人に見えるのではないだろうか。ブックオフに着く前まではそのように思っていた。しかしよく考えてみると、大学に見事合格した人の手元にある、選び抜かれた参考書は、使い込まれ書き込みがたくさんあって、きっと売り物にならないはずだ。

ブックオフへ立ち入ったことで、逆に浪人であることを裏付けられてしまったような気がしたが、とにかく部屋は片付いた。使いたい参考書を効率よく取り出せるから、きっと勉強がはかどることだろう。

プロローグ

先日、感染症の専門家としてメディアによく出演されている忽那賢志氏が医学生時代につづっていたブログ「ブルータス、おまえモカ」の存在を知った。「クフ王」と自身の名字である「くつな」を掛けたと思われる「くつ王」というペンネームや、マウスで描いたであろう無骨なヘッダーのイラストは、古き良きインターネット風景を象徴するかのようで、私は自分がまだ生まれる前の平成初期のことを懐かしく思った。それと同時に無性にブログが書きたくなった。

ちょうどその頃、前期試験の不合格が分かり、私は1年間の猶予期間が与えられたところだった。

これから私の自宅浪人生活をここに記録していこうと思う。
このブログが受験生らしい勉強奮闘日記になるのか、あるいは日々のささいな出来事の記録になるのかはまだ分からない。